■■ JH2A NEWS PICK-UP Vol.45 ■■ 2024/6/10

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① 【政策/国内】日本政府 東京・大阪・福岡・札幌の4都市を金融・資産運用特区に

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日本政府は、東京・大阪・福岡・北海道の4都市を「金融・資産運用特区」に指定すると発表。北海道をグリーントランスフォーメーション投資の集積拠点とするなど都市ごとの特色を打ち出し、海外のマネーや人材の呼び込みを目指す。金融・資産運用特区は対象地域に特別な規制緩和や支援策を認めることで、国内外から新たな投資を引き寄せ、金融業や地域産業の発展につなげる目的としている。

北海道・札幌市では、圧縮水素の貯蔵量の上限を緩和する措置を検討する。洋上風力発電の建設工事に使う作業船の不足を解消するため、外国籍船を利用しやすくもする。

(6/4 一般報道より)

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② 【政策/国内】香川県 坂出市番の州コンビナート地区における水素利活用の採択に関する知事コメント

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県内最大の大型コンビナート「番の州臨海工業団地」における2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、本年2月に、地元坂出市と坂出商工会議所、同団地に立地する企業等とともに、「坂出市番の州コンビナート水素等利活用推進協議会」を立上げ、水素等供給基盤整備実験可能性調査等を実施すべく、資源エネルギー庁に「水素等供給基盤整備事業補助金」の提案を行っていたところ、この度、採択の通知をいただいたことは、誠に嬉しいことであります。本提案の採択にあたっては、国の水素等供給基盤整備事業技術審査委員会から、「香川県、坂出市、商工会議所、コンビナートの多種多様な企業が参画し、水素等利活用推進協議会を立ち上げ、コンパクトでありながら構想が明確で、様々な関係者が知恵を出し合ってプロジェクトを進めている点に加え、水素輸送の鍵となる液化水素運搬船建造サプライチェーンを強化していく視点」などを高く評価いただいたとお聞きしています。今般の採択を契機として、県と市、関係企業、経済団体及び地域が一体となって、インフラ等拠点整備を含む水素等の安定供給の開始に向けて、水素等次世代エネルギーのサプライチェーン構築のための取り組みを引き続き進めてまいります。

(5/31プレスリリースより)

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③ 【水電解/国内】高圧ガス保安協会 「水電解装置」基準原案まとめる

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次世代のエネルギーとして期待される水素について、安全性を確保しながら活用を進めようと、電気を使って水素を製造する「水電解装置」の安全基準の原案を、高圧ガス保安協会がまとめた。「水電解装置」は、水を電気分解して水素を製造する装置で、再生可能エネルギーから水素を製造できるため、脱炭素社会の実現に向けてカギを握る技術として開発が進められている。一方で、水素は漏れやすく、火がつきやすいうえ、酸素と混ざり合うと爆発するリスクもあり、普及に当たっては安全性の確保が重要になる。このため、高圧ガス保安協会が中心となって「水電解装置」に関する民間の安全基準を策定することになり、3日に専門家や事業者が参加する会議で原案が示された。原案では装置の中で発生した水素と酸素が漏れて混ざらないよう、検知器で確認することや、緊急停止の機能を設けること、日常的に点検を行って異常がないか確認することなどを求めている。水素の活用をめぐっては、5月に国の支援策などを盛り込んだ「水素社会推進法」が国会で成立し、今後拡大が見込まれていて、高圧ガス保安協会はことし8月までに基準を策定したいとしている。

(6/3 一般報道より)

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④ 【CN燃料/国内】トヨタ自動車等 自動車向けカーボンニュートラル燃料の導入と普及に向けた検討を開始

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トヨタ自動車、出光興産、ENEOSおよび三菱重工業は、カーボンニュートラル(以下、CN)社会の実現を目指して、自動車の脱炭素化に貢献する「CN 燃料」の導入・普及に向けた検討を開始。日本国内での2030 年頃の CN 燃料の導入を目指し、供給、技術、需要のそれぞれで主要な役割を果たす 4 社が共同で検討を進める。CN 燃料は、水素と CO2を原料とする合成燃料(e-fuel)や、光合成でCO2を吸収する植物等を原料にしたバイオ燃料などの総称。特に液体の CN 燃料は、エネルギーを「ためる」「はこぶ」点において優位性があり、輸送可能なエネルギー源として適している。4社は、日本の自動車市場における CN 燃料の導入シナリオやロードマップ、市場導入に必要となりうる諸制度の議論・検討、日本におけるエネルギーセキュリティ等の観点から、製造の実現可能性の調査を共同で実施する。

(5/27 プレスリリースより)

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⑤ 【SC/国内】関西電力 兵庫県播磨・神戸地域での水素サプライチェーン構築に向けた調査を実施

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エネルギー供給構造高度化事業コンソーシアムCROS)が公募する「令和6年度非化石エネルギー等導入促進対策費補助金(水素等供給基盤整備事業)」に応募し、採択される。今回採択された事業において、自治体や水素の利活用先候補等と協力し、兵庫県播磨・神戸地域での水素サプライチェーン構築に向けた調査を実施する。具体的には、2030年時点での当該地域における水素需要や、利活用先への最適な輸送インフラ、脱炭素効果等による地域経済への影響について、調査・検討を行う。また、2050年に向けた中長期的な水素供給インフラの全体構想についても検討していく。

(6/3 プレスリリースより)

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⑥ 【水素製造装置用電極/国内】豊田自動織機 貴金属フリーで高性能な水素製造装置用電極を開発

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豊田自動織機は、車載電池(バイポーラ型ニッケル水素電池)の開発で培った材料技術・分析技術を活用した、アルカリ水電解式水素製造装置向けの電極を開発した。この電極は、ニッケルを主成分とする独自設計の材料で構成され、白金やルテニウムなどの貴金属やコバルトを使用しないため、サプライチェーンリスクの低減に貢献する。また、貴金属やコバルトを使用した電極と同等の高い電解効率を実現するとともに、その効率を低下することなく維持する高い耐久性を有することも試験にて確認している。水と電気から水素を「つくる」水素製造装置の市場は、2030年には、2022年比で約130倍にまで急拡大する見込みで、効率的かつ安定した水素製造技術の開発が求められる。同社は、複数ある水素製造方法の中でも、ニッケル水素電池の知見を活かせるアルカリ水電解方式に着目し、水素製造のキーデバイスである電極について、独自設計の材料および製造工程の開発を進め、2028年ごろの市場投入を目指す。

(5/30 プレスリリースより)

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⑦ 【ケミカルリサイクル/国内】レゾナック 高温分解する「ケミカルリサイクル」で水素やアンモニアに再資源化

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川崎市と素材大手「レゾナック・ホールディングス」は今年度、集めたプラスチックごみをガス化し、水素や二酸化炭素、アンモニアにリサイクルする実証実験を行っている。市が臨海部の事業所などと連携し、循環型社会の実現を目指す取り組みの一環。市と同社は5月30日、実証実験の様子を報道陣に公開。同事業所では首都圏の家庭などから出るプラスチックごみ1日195トンをリサイクルし、30トンの水素、490トンの二酸化炭素を取り出し、水素と空気中の窒素を合成して175トンのアンモニアを作っているという。アンモニアはナイロンやアクリルといった繊維や医薬品の原料、二酸化炭素は、炭酸飲料の炭酸やドライアイスなどに使用される。水素の一部は、地下のパイプラインを通じて約5キロ離れた「川崎キングスカイフロント 東急REIホテル」に供給され、燃料電池による発電で、ホテル内の電気の一部を賄う。

(6/2 一般報道より)

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⑧ 【e-メタン合成/国内】大阪ガス GI基金事業におけるSOECメタネーションのラボスケール試験装置の完成と試験実施

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大阪ガスは、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)とともに採択された、NEDOの「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いた燃料製造技術開発プロジェクト」の「SOECメタネーション技術革新事業」においてSOECメタネーションのラボスケールの試験を開始した。 SOECメタネーションは、外部水素の調達を不要とし、水とCO2から一気通貫でe-メタンを製造することができ、高温(約700~800℃)で電気分解することにより、必要な再エネ電力等の削減が可能である。加えてメタン合成時の排熱を有効活用できるため、従来のメタネーション(約55~60%)を大幅に上回る、約85~90%というエネルギー変換効率を実現できる可能性があり、e-メタン製造コストの大幅な低減が期待できる。今回製作したラボスケール試験装置のe-メタン製造能力は一般家庭2戸に相当する0.1Nm3/hであり、今後2025年度~2027年度にベンチスケール試験(e-メタン製造規模10Nm3/h級、一般家庭約200戸相当)、2028年度~2030年度にパイロットスケール試験(同400Nm3/h級、同約1万戸相当)を進め、2030年度に世界最高レベルのエネルギー変換効率(約85~90%)の確立を目指している。また、2031年度以降の実証フェーズを経て、2030年代後半から2040年頃の実用化を目指している。

(6/5 プレスリリースより)

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⑨ 【グリーン水素/国内】住友ゴム 山梨県とグリーン水素による脱炭素化等に係る基本合意書を締結

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住友ゴム工業は、山梨県(県庁:山梨県甲府市、知事:長崎幸太郎)とカーボンニュートラルの実現に向け、やまなしモデルP2G(ピー・ツー・ジー)システムによるグリーン水素を利用し、タイヤ製造等における脱炭素化と地域資源を活かした水素エネルギー社会の構築に連携して取り組むことについて合意した。2050年カーボンニュートラル実現に向けては、再生可能エネルギーの主力電源化に合わせて、我が国においてエネルギーの最終消費の約7割を占めている化石燃料の使用を、CO2を排出しないグリーン水素へ転換していく必要がある。今回、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受け、やまなしモデルP2Gシステムを住友ゴム白河工場へ導入し、これにより生まれたグリーン水素を活用し、工場の安定操業を保ちながら脱炭素化を実現する「脱炭素グランドマスター工場」の実証を行う。やまなしモデルP2Gシステムは、再生可能エネルギー由来の電力から水素を製造し、水素を熱エネルギーとして利用することで脱炭素化を実現する技術であり、脱炭素グランドマスター工場は、P2Gシステムから製造される水素、配達水素、系統電力、場内太陽光発電及び既存燃料の5つのエネルギーを調和させタイヤ製造工場の脱炭素化を実現するもの。

(5/27 プレスリリースより)

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⑩ 【水素ロースター/国内】シンポ株式会社・H2&DX社会研究所 世界初水素式無煙ロースター開発プロジェクト始動

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シンポは、水素インフラ整備を中心に水素調理器具の製造等を手掛けるH2&DX社会研究所と共同で2050年のカーボンニュートラル脱炭素経営に向けて、水素を利用した新時代の無煙ロースター開発プロジェクトを始動します。無煙ロースターのパイオニアメーカーであるシンポは、電気式無煙ロースターの開発・製造・販売に力を入れ取り組んできた。現在、同社主要取引先である焼肉店は、化石燃料ガスの無煙ロースターを設置しているお店が多く、飲食業界の中でガスの消費が多い業態であると言える。また、EU の共同研究センターが主導した調査によると、世界で排出される 温室効果ガスの 3 分の 1は「食」に関係し、飲食店の厨房で使われるエネルギー(厨房用のガスおよび電気)は、店舗全体の消費エネルギー量の 50% を超えるというデータもある。そうした中で、水素コンロの開発および販売でも世界唯一の実績を持つH2&DX Inc.と、早く・おいしく、そして環境にもやさしい水素を熱源とする無煙ロースターの開発を、2025年上期を目標として着手する。

(5/30プレスリリースより)

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⑪ 【水素吸蔵合金/国内】三菱化工機等 音楽フェス「カラフェス」に水素吸蔵合金配送システムを利用したクリーン電源を供給

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三菱化工機、那須電機鉄工、日本フイルコンの3社は、2024年5月25日(土)~26(日)に佐賀県波戸岬海浜公園にて開催された「Karatsu Seaside Camp 2024(カラフェス)」の会場メインゲート照明などに、3社が共同開発した「水素吸蔵合金配送システム」を利用したクリーン電源を提供した。今回、三菱化工機の小型オンサイト水素製造装置「HyGeia-A」で製造した水素を水素吸蔵合金タンク(MH タンク)に充填して運搬、会場メインゲートに隣接して設置した燃料電池で発電し、会場照明用に電力を供給。25日15時より会場メインゲートをはじめとする照明の点灯を開始して、翌日9時まで約18時間にわたり1kwを安定的に電力供給できることを確認した。水素使用量は試運転も含め約15m3。

(5/31プレスリリースより)

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⑫ 【ステンレス/国内】オロル 水素プラントの課題である水素脆化を食い止めるハイドロル処理で特許を取得

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オロルは、ステンレスの溶接加工部において、非溶接加工部と同等の水素バリア性を有する皮膜を被覆した溶接加工ステンレス鋼の製造方法を発明し、特許を取得した。エネルギー効率や排出物の少なさにおいては圧倒的な優位性を誇る水素ですが、最も軽い元素であるが故に管理が難しく、また、配管のジョイントから漏出、その際に金属の組成を弱める「水素脆化」が非常に大きな障壁となっていた。

水素に対して、ステンレスの表面を電解処理で極めて緻密に磨き、ナノレベルでの表面処理により均一性、平坦性を確保し不動態厚膜を形成することで、ステンレス鋼の水素脆化を食い止める技術を生み出した。

(5/29 プレスリリースより)

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⑬ 【政策/海外】日本政府 日EUエネルギー閣僚会議及びハイレベル水素ビジネスフォーラムを開催

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経済産業省は、日EUエネルギー閣僚会議及びハイレベル水素ビジネスフォーラムを開催。会議の成果として、齋藤経済産業大臣及び欧州委員会シムソン委員(エネルギー担当)による水素分野の政府間の協力についての共同声明を発出するとともに、日EUの水素関係機関における協力文書の署名を行った。日EU企業の水素連携に関する意見交換会では、出席した水素関連企業から水素分野における日EU間における連携の可能性や今後のビジネス展開について説明があるとともに、日本企業から積極的な国内投資・融資の意思表明があった。齋藤経産相は「フォーラム開催を機に、クリーンエネルギー産業のサプライチェーン強化のため政策協調を具体的に議論していく。共同で日EUクリーンエネルギー産業政策協調ワーキンググループ(WG)を設置し、脱炭素や安定供給性、サイバーセキュリティなどの視点で水素等を評価する方法について専門家の検討を加速させる」と今後の取り組みを説明した。

(6/4 日本政府報道より)

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⑭ 【政策/海外】日本政府 水素関連分野への投資に特化したファンドにおける IPEF ウィンドウの設定

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経済産業省は、水素バリューチェーン推進協議会とアドバンテッジパートナーズが共同で設立を目指している水素関連分野への投資に特化したファンドを支援し、本ファンド内に IPEF ウィンドウを設定することを公表した。IPEF 域内で実施される水素関連活動に資金を動員するための IPEF ウィンドウは、同地域における水素の製造、貯蔵、輸送、消費を含む水素の総合的な利用強化を目的としており、電気分解・アンモニア変換・再生可能エネルギー発電を含む水素および水素派生物の生産施設の設立、貯蔵施設の設立、液化水素や金属水素化物などの技術開発、パイプラインや船舶などの輸送施設の設立、産業・輸送・エネルギー貯蔵・発電等、エネルギー転換を促進するための水素の利用拡大のための検討などが含まれる。

(6/6 日本政府報道より)

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⑮ 【政策/海外】独政府 水素加速法案を閣議決定

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独政府は5月29日、エネルギーキャリアの拡大を加速するため、クリーン水素プロジェクトの計画承認を緩和する新法を可決した。ベルリンは、水素加速法は「水素の生産、貯蔵、輸入のためのインフラの急速な開発と拡大」のための法的枠組みを創設すると述べた。計画、承認、調達手続きの簡素化とデジタル化を目的としたこの法律は、規制要件の削減とさまざまな既存法の改正を目的としている。

法律が成立すれば、水素インフラに「最優先の公共利益」の地位が与えられ、当局は承認を優先できるようになる。ロバート・ハーベック気候相は、効率的な水素インフラは産業の脱炭素化にとって「極めて重要」であると述べたが、「時間は迫っている」と強調した。同相は、この法律は「より効率的で迅速な」計画承認手続きの「方向性を定める」ものであり、電解装置と輸入ターミナルが「できるだけ早く」稼働できるようにすると主張した。「この法律は、水素を生産、貯蔵、輸入するインフラプロジェクトの承認に対する障害を取り除く」とハーベック相は付け加えた。

(一般報道より)

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⑯ 【政策/海外】韓国政府 首脳会談にて、アラブ諸国と初めてUAEと包括的経済連携協定締結

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韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は29日、国賓として来韓しているアラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド大統領と会談し、昨年1月の首脳会談で示されたUAE側による300億ドル(約4兆7200億円)規模の対韓投資を改めて確認した。また、今回の首脳会談を機に両国政府は包括的経済連携協定(CEPA)を締結した。韓国がアラブ諸国とCEPAを結ぶのはこれが初めてで、韓国大統領室は「貿易の自由化と投資の拡大を含む包括的分野で両国間の経済パートナーシップを強化していくための制度面の土台を築いた」と評価した。エネルギー分野では、アブダビ国営石油会社(ADNOC)と韓国企業の間で液化天然ガス(LNG)運搬船の建造意向書が交わされ、韓国企業は最低でも6隻、15億ドル相当のLNG船受注を確保した。また両国の石油共同備蓄事業拡大に向けた覚書(MOU)と、水素協力事業の支援体制を構築するための政府間MOUも締結した。

(一般報道より)

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⑰ 【アンモニア供給/海外】双日 インドから日本へのグリーンアンモニア供給についてSembcorpおよび九州電力と基本合意

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双日は、九州電力およびアジアのエネルギー分野におけるリーディングカンパニーである Sembcorp Industriesの100%子会社であるSembcorp Green Hydrogen Pte. Ltd.と、2024年6月6日に、インドにおいて3社で製造予定のグリーンアンモニアを日本向けに供給することで基本合意した。双日と九州電力は本合意により、2020年代後半から年間20万トンを生産予定のグリーンアンモニアを日本向けに引き受け、九州地方を中心としたさまざまな産業の需要家に供給する予定としている。価格競争力を有するグリーンアンモニアの供給を通じ、グリーンエネルギーの導入を促進し、日本の脱炭素に貢献するとともに、インドを調達先とする新たなサプライチェーンを構築することで、エネルギーの安定供給にも寄与する。

(6/6 プレスリリースより)

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⑱ 【FCV/海外】本田技研工業  米国で新型燃料電池車CR-V e:FCEVの生産を開始

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ホンダの米国現地法人であるアメリカン・ホンダモーターはこのほど、米国オハイオ州メアリズビルの四輪車生産拠点パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター(PMC)において、新型燃料電池車CR-V e:FCEV(シーアールブイ イーエフシーイーブイ)の生産を開始したことを発表。同車は今年、米国および日本での発売が予定されている。燃料電池システムの普及・活用拡大に向けては、コストや耐久性が主な課題とされるなか、両社の知見やスケールメリットを生かしたこの燃料電池システムは、電極への革新材料の適用やセルシール構造の進化、補機の簡素化、生産性の向上などを図ることで、燃料電池車CLARITY FUEL CELL2019年モデルに搭載していた燃料電池システムに対して、コストを3分の1に低減している。また耐食材料の適用や劣化抑制制御により、耐久性を2倍に向上させるとともに、耐低温性も大幅に向上させている。

(6/6 一般報道より)

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⑲ 【鉄道水素ST/海外】中国 中国初の鉄道用水素ステーションが運営開始

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中国北部の内蒙古自治区オルドス市に建設された中国国家エネルギー集団のバトゥタ(巴図塔)水素ステーションが2日に商業運営を始めた。同ステーションは中国初の重負荷鉄道用水素ステーション。同水素ステーションは主に大出力の水素動力機関車や、水素燃料電池とリチウムイオン電池の作業車両に水素を提供する。ステーションには中国が自主開発した世界初の耐低温自動水素注入ロボットや大流量水素注入機が設置されており、セ氏氷点下25度の環境でも全天候型で連続稼働や水素の大流量自動注入ができる。同水素ステーションの水素注入能力は1日当たり500キログラムで、水素の貯蔵能力は800キログラム。また、最速では水素動力機関車1台への水素注入を30分で終えられる。水素燃料を注入された機関車は8時間以上の連続運行が可能。負荷のない状態での航続距離は800キロで、毎年800トン以上の二酸化炭素の排出削減を実現できると見込まれている。

(6/9 一般報道より)

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⑳ 【水素混焼/国際】三菱重工業 大型ガスタービン向け水素混焼技術の導入検討へ、タイ国電力公社(EGAT)とMOUに調印

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三菱重工業は、タイ最大の発電事業者であるタイ国電力公社(EGAT:Electricity Generating Authority of Thailand)と、タイ国内のガスタービン発電設備に燃料として水素を混焼させる技術を導入する調査・検討を進めることで合意し、6月4日に東京で開催された「第6回日タイエネルギー政策対話」(JTEPD:Japan–Thailand Energy Policy Dialogue)にて協議に向けた基本合意書となるMOUに調印した。

タイ政府が掲げる「2050年までのCN達成・2065年までのネットゼロ実現」という国家目標を受け、EGATの火力発電所におけるクリーン燃料化を支援していくもので、第1段階として、EGATの同国内発電所での水素混焼パイロット事業にも取り組み、2025年3月までに初期の実効性調査を実施する。EGATからの要望により、水素混焼率は20%を目指す。三菱重工業はこの合意に基づき、EGAT既存発電所における当社製ガスタービンを対象とした水素混焼技術の予備調査を実施。一方のEGATは、タイにおける水素の輸送・貯蔵・流通を考慮した水素サプライチェーンマネジメントの戦略的計画をはじめ包括的な計画を策定する。

(6/5 プレスリリースより)

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21 【燃料電池/海外】現代自動車 現代モービスの水素燃料電池事業の買収完了

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韓国現代自動車は、グループの部品メーカー、現代モービスが国内で展開する水素燃料電池事業の買収手続きを完了した。現代自は2月、現代モービスと同事業の買収契約を締結。今回の買収には、関連設備や資産に加え、研究開発(R&D)および生産品質の関連人材なども含まれる。これに伴い現代自は、製造技術などを担当する「水素燃料電池工程品質室」を新設した。これまで水素燃料電池事業は、R&Dは現代自が、生産は現代モービスが担ってきたが、買収により同事業を一元化し、運営効率の改善やコスト削減、品質向上を目指す。中長期的には、事業範囲を水素燃料電池車(FCV)から他の産業分野まで拡大する方針

(6/10 一般報道より)