■■ JH2A NEWS PICK-UP Vol.8 ■■ 2022/11/28

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① 【政策/国内】 経済産業省 水素・アンモニアの商用サプライチェーン支援制度、インフラ拠点整備支援について議論 

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経済産業省は16日、総合資源エネルギー調査会第6回水素政策小委員会・アンモニア等脱炭素燃料政策小委員会を開催し、水素・アンモニアの商用サプライチェーン支援制度とインフラ拠点整備支援について有識者が議論した。サプライチェーン支援制度に関して①参照価格、②設備稼働率、③サプライチェーンのタイプごとの支援の考え方、④国内事業への支援、⑤低炭素基準、について議論され、低炭素基準については水素バリューチェーン推進協議会およびクリーン燃料アンモニア協会から低炭素水素・クリーンアンモニアとなる閾値が提案された。インフラ拠点整備支援についてはサプライチェーン支援との連携の議論がなされた。(11月16日経済産業省ウェブサイトより) 

https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/suiso_seisaku/006.html

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② 【政策/国内】 NEDO INPEXのブルー水素・アンモニア製造事業に助成 

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NEDOは15日、2050年カーボンニュートラルの達成に向け、燃焼時に二酸化炭素(CO2)が発生しないアンモニアを燃料として活用する「燃料アンモニア利用・生産技術開発」事業で、ブルーアンモニア製造の技術開発に着手したと発表した。本事業では(株)INPEXが保有する南長岡ガス田で生産された天然ガスをパイプラインで東柏崎ガス田に輸送してブルー水素を製造し、水素の一部をブルーアンモニアの製造(500トン/年)に使用し、残りの水素は発電に利用する計画。水素とアンモニア製造の際に出たCO2は大気中に放出せず、分離・昇圧して回収する。助成規模は4億9800万円で、事業期間は2022年度~2025年度の予定。(11月15日プレスリリース 以下NEDOウェブサイト)

https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101590.html

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③ 【サプライチェーン構築/国内】 大成建設 室蘭市で水素吸蔵合金を使った水素サプライチェーン構築実証事業を開始

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大成建設は、室蘭ガスを代表企業として、室蘭市他企業と共同で、水素の製造・貯蔵・配送・利用までのサプライチェーンを構築する実証を行う。本実証は環境省が公募した「令和4年度既存のインフラを活用した水素供給低コスト化に向けたモデル構築・実証事業」へ当グループが提案した「既存のガス配送網を活用した小規模需要家向け低圧水素配送モデル構築・実証事業」が採択されたもの。今年度から実施をし、北海道室蘭市が所有する祝津風力発電所で発電した電気を使い、水電解水素製造装置で水素を製造、既存のガス配送網に混載可能な円筒型水素吸蔵合金タンクに充填し、需要家まで配送する。(11月24日プレスリリースより)

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④ 【ブルー水素/国内】INPEX 新潟県柏崎市でブルー水素・アンモニア製造・利用一貫実証試験を開始

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INPEXは、当社の新潟県柏崎市東柏崎ガス田平井地区にて、「ブルー水素・アンモニア製造・利用一貫実証試験」を開始する。同地区に新たに施設を建設し、年間700トンの水素を製造、製造された水素の一部はアンモニア製造に使用し、残りを水素発電に使用する。原料は当社が新潟県内で生産する天然ガスで、輸送には既存のパイプラインを使用。また、水素及びアンモニア製造時に発生するCO2を既にガス生産を終了した同地区の貯留層へ圧入(CCUS)する。本実証試験後にその成果を活用し、新潟県にて当社天然ガス田及び既存インフラを活用したブルー水素製造プラントを建設し、2030 年頃までに商業化を目指す。(11月15日プレスリリースより)

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⑤ 【アンモニア輸送船/国内】商船三井とJERA 燃料アンモニアの輸送に向けて協業 

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商船三井とJERAは、2020年代後半から商用運転開始を目指しているJERAの碧南火力発電所(愛知県)等への燃料アンモニアの輸送に向けて検討・協業を開始。今般覚書を締結し、両社は共同で大型アンモニア輸送船の開発や安全な輸送体制の構築等を進める。具体的には、国内火力発電所および受入基地に適した燃料アンモニア輸送船の開発、燃料アンモニア輸送・受入体制の構築、船舶燃料としてアンモニアを使用した推進機関の実装および航行、燃料アンモニア受入に関するルール形成に向けた関係各所へのはたらきかけを検討する。(11月21日プレスリリースより)

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⑥ 【水素貯蔵/国内】 JFEコンテイナー 約100kgの水素を供給可能な容器システム車輛を開発 

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JFEコンテイナーと巴商会は、モビリティや定置式などの各種水素利用媒体へ35MPa/100kgの水素を供給可能な容器システム車輛を開発した。今後、巴商会が当容器システム車輛を販売し、JFEコンテイナーが容器提供する。容器システムの特徴として、5MPa圧縮水素ガスの充填、約100kgの水素燃料格納が可能であり、国土交通省の車輛認可済み。また、コンパクトな設計(W2,430mm×L5,876mm×H2,232mm)により、小型トラック等での牽引が可能。世界初の水素混焼エンジン搭載旅客船『Hydro BINGO(ハイドロびんご)』に搭載され、航行に成功している。(11月18日 一般報道、プレスリリースより)

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⑦ 【FCフォークリフト/国内】 三菱ガス化学 自社新潟工場に水素STを設置し、FCフォークリフトの運用を開始 

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三菱ガス化学は、新潟工場で建設していた水素ステーションが完成し、水素を使った燃料電池フォークリフトの運用を開始した。当水素ステーションは、PDC Machines合同会社の燃料電池フォークリフト用水素発生充填設備「シンプルフューエル」を使い、水電解水素発生器を用いて、最大99Nm3/日(8.8 kg/日)の水素を製造する。FCフォークリフトは、豊田自動織機の2.5t積と1.8t積を7台を使用し、これによりCO2排出量は最大で年間18.2t削減される。加えて、トヨタ自動車の水素を使った燃料電池自動車2台を社用車として使用し、同社の2050年カーボンニュートラル達成に向けた取り組みとして、水素価値の浸透と実証を図る。(11月18日プレスリリース)

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⑧ 【GHG測定/国内】JOGMEC、ANA、JAXA 航空機等を活用したメタン測定技術調査事業を実施

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JOGMEC、ANA、JAXAは、共同で航空機やドローンからの温室効果ガス測定技術の開発に取り組み。温室効果ガス排出量の検証方法の1つであるトップダウン手法(※)を社会実装することを目指す。本共同調査では、ANAとJAXAが以前から実証検証を進めてきたリモートセンシング技術を用いた航空機からの温室効果ガス測定手法のノウハウを活用。航空機を改修せずに地表面のメタン測定が可能な手法に取り組みつつ、ドローンを用いたトップダウン手法によるメタン測定手法にも取り組む。(11月24日プレスリリースより)

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⑨ 【金融/国内】電源開発 カーボンニュートラルへの移行に向けた資金調達の枠組みを策定 

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電源開発は、2050年カーボンニュートラルに向けた長期戦略に基づくトランジションの取り組みに関する資金調達の枠組みとして、「J-POWERグループ グリーン/トランジション・ファイナンス・フレームワーク」を策定した。当社が従前策定していた枠組みを拡充し、グリーン・ファイナンス(資金使途特定型)とトランジション・ファイナンス(資金使途特定型・資金使途不特定型)を実施するための包括的な資金調達の枠組みを策定。資金使途には、水素発電設備やCO2フリー水素製造設備、大間原子力発電等を想定。今後、本フレームワークに基づく社債・借入による資金調達を検討する。(11月18日プレスリリースより)

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⑩ 【政策/海外】韓国とサウジアラビア 水素分野で連携 

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韓国政府は、サウジアラビアとエネルギー分野を中心に複数のMOU・契約を締結。水素分野では、韓国電力、サムスン物産など5社と、サウジアラビアの政府系ファンド・サウジアラビア公共投資基金(PIF)によるグリーン水素開発協力に関するMOU、鉄道車両メーカー・現代ロテムがサウジアラビア企業と連携し、水素駆動車両を共同開発する契約を締結。グリーン水素開発協力のMOUに関しては、再エネ由来の水素・アンモニアを、年間120万トン生産する計画であり、年内にFSを開始予定。紅海沿岸に2029年までに工場を建設する構想であり、投資額は65億ドル程度を見込む。(11月17日一般報道より)

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⑪ 【グリーン水素/海外】 チリ産業振興公社(CORFO) 世界銀行とグリーン水素促進協定を締結(融資額最大7.5億ドル)

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チリ産業振興公社は、世界銀行と「回復力のある包括的なグリーン経済の発展を支援するグリーン水素施設プロジェクト」と題したグリーン水素イニシアチブを促進する協定に署名した。署名はエジプトで開催したCOP27の中で行われた。同協定は、世界銀行がCORFOに対し、第1段階として2023年に1億5,000万ドル、その後の第2段階として2億ドルの融資を行う。それに加え、米州開発銀行(IDB)との合意により、グリーン水素産業の支援を目的に最大で4億ドルの融資が行われることも併せて発表し、当融資はチリ国内のグリーン水素産業の発展に貢献すること目標としている。(11月21日JETROより)

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⑫ 【グリーン水素/海外】 豪州FFI社  エジプトで年間33万トンのグリーン水素製造プロジェクトに参画

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Fortescue Future Industries (FFI)とエジプトは24日、COP27において、エジプトにおけるグリーン水素および再生可能エネルギープロジェクトの調査・開発に協力することに合意した。この契約により、FFIは、エジプトの再生可能エネルギー資源研究へのアクセスと独占的な土地使用権を得ることができるとしている。プロジェクトは、7,600MWの再生可能エネルギーを支援し、年間33万トンのグリーン水素を生産する可能性がある。本合意は、FFIとエジプト政府(新再生可能エネルギー庁(NREA)、スエズ運河経済圏総局(SCZONE)、エジプト送電会社(EETC)、エジプト投資開発主権基金(TSFE)が代表)により締結されたもの。(11月24日プレスリリースより)

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⑬ 【グリーンアンモニア/海外】Air Products and ChemicalsとMabanaft ドイツにグリーンアンモニア輸入基地を建設

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産業ガス大手のAir Products and Chemicals(米国)とエネルギー企業のMabanaft(ドイツ)は、ドイツ北部のハンブルクにグリーンアンモニア輸入基地を建設する。輸入基地は、Mabanatのハンブルク港の石油輸出ターミナルに付属する形で建設。この基地で、エアー・プロダクツなどが運営するグリーン水素・アンモニア設備から調達したアンモニアを受け入れ、水素に再変換した上で、ハンブルクやドイツ北部に供給する計画。2026年の稼働開始を目指す。(11月17日プレスリリースより)

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⑭ 【ブルー水素/海外】 エア・プロダクツ カナダ・アルバータ州 水素プロジェクトに約4億7500万ドル(CAD)の資金獲得

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カナダ連邦政府は、エア・プロダクツがアルバータ州に建設する水素エネルギー複合施設に対し、約4億7500万米ドル(CAD)のプロジェクト資金を提供すると発表した。当プロジェクトは、自己熱改質器、95%の除去を達成する炭素回収、水素100%燃料とする発電施設、1日あたり35トンの水素液化施設、そして、エア・プロダクツ既存のアルバータ州ハートランド水素パイプラインネットワークへの接続により、段階的な脱炭素化を実現する計画。カナダと北米の主要な水素生産ハブとして位置づけられ、2024年に完全に稼働を目標とする。(11月18日 一般報道、プレスリリースより)

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⑮ 【水電解装置/海外】 Nel Hydrogen 米国GM社とPEM電解槽プラットフォームの工業化を加速

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ノルウェーの水電解装置メーカーであるネル(Nel)社は、米国のゼネラルモーターズ(GM)社と共同開発契約を締結し、ネルのプロトン交換膜(PEM)電解槽プラットフォームの工業化を加速すると発表した。GM社の燃料電池に関する広範な専門知識とネルの電解槽に関する深い知識を組み合わせることで、両社はより安価な水素を生産することを目指す。ネルは、GMの開発作業と知的財産の移転に対して継続的に補償を行い、最終製品がGMの技術にどれだけ基づくかによって、商業化の成功後にライセンスを支払うことになるという。(11月16日プレスリリースより)

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⑯ 【液化水素運搬船/海外】米国CB&Iと韓国大宇造船海洋が大型液化水素運搬船の実現可能性調査に関するMOU

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CB&Iは、米NASAケネディ宇宙センターに世界最大規模の液化水素貯蔵タンクを製作供給するなど、関連貯蔵設備の建造分野で130年以上の経験と力量を蓄積してきた。同社と、大宇造船海洋工学(DSME) は、大型液化水素運搬船の実現可能性調査に関する覚書に署名した。CB&Iは、外航船の液化水素貯蔵タンクの設計を評価し、DSMEは液化水素貯蔵タンクを設置するための船の一般的な設計を調査および開発する計画。(11月18日一般報道/10月18日プレスリリースより)

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⑰ 【発電/海外】三菱重工業 タイ最大の発電事業者であるタイ国電力公社とクリーン燃料発電等で連携

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三菱重工業は、タイ最大の発電事業者であるタイ国電力公社(EGAT)とクリーン燃料発電、クリーン水素およびCCUS技術に関する調査と情報交換を行うMOUを締結。今後3年間で、特定分野に関する経験・情報などを交換するほか、クリーン発電の推進に関する経験と技術ノウハウを共有するための相互人材派遣も実施する。三菱重工は、今回のEGATとの協業を通じ、2030年までにタイのCO2排出量を予測値から40%削減し、2050年までのカーボンニュートラル、2065年までのネットゼロを達成するというタイの国家目標を支援する。(11月24日プレスリリースより)

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⑱ 【発電/海外】 三菱重工業 台湾電力・林口石炭火力発電所でのアンモニア混焼へ覚書に調印

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三菱重工業は、台湾公営の台湾電力が運営する林口石炭火力発電所でアンモニア混焼の導入に向けた検討を実施することに合意し、関係者間でMOUを締結した。台湾では、電力の安定供給が課題とする中、石炭やガスを燃料とする火力発電設備については脱炭素化が強く求められており、石炭とアンモニアの混焼は潜在的な脱炭素技術の一つとして大きく期待されている。当計画は、2025年までのフェーズ1でアンモニア5%混焼の基礎検討を実施し、2026年以降のフェーズ2では、林口発電所の設備1系列を使った実機実証に取り組み、2028~2030年での混焼率5%の実現、以降さらに混焼率20%への引き上げを目指す。(11月17日プレスリリースより)

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⑲ 【水素ステーション/海外】 ハイペリオン・モーターズ FCEVとBEVの両方に補給できる移動式ステーションを発表

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ハイペリオン・モーターズ(Hyperion Motors)は22日、燃料電池自動車(FCEV)とバッテリー電気自動車(BEV)の両方に補給できる「Hyper:Fuel Mobile Stations™」を発表した。Hyperion社の移動式ステーションは、FCEV用の水素ディスペンサーと、BEV用のDC急速充電器(オプションにより搭載可能)が使用可能。FCEVには5分で、BEVには20分以内にバッテリーの80%を充電することができる。これは現在走行中の多くの商用水素トラックやバッテリー電気自動車が直面している燃料供給や充電インフラの課題に対応するもの。この移動式ステーションはオハイオ州コロンバスで製造される予定で、2023年から米国全土で利用可能となる。(11月22日プレスリリースより)

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⑳ 【燃料電池バス/海外】 バラードパワーシステムズ社 ポーランドの水素燃料電池バス25台分の燃料電池を受注

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バラードパワーシステムズ(Ballard Power Systems)社は17日、ポーランドの公共交通機関で使用される予定のバス用水素燃料電池エンジン25台分を、ヨーロッパの大手バスメーカーであるソラリス(Solaris)社から受注したと発表した。燃料電池は70kWで、ソラリス社の水素バスUrbinoに搭載され、公共交通機関であるMPKポズナン(MPK Poznań)に12台分が2023年後半に納品される予定。MPKポズナンは、2028年までに保有車両の30%をゼロエミッション化することが求められており、これら25台分の燃料電池バスによりゼロエミッション車輌は18%から25%に増加するという。(11月17日プレスリリース)

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㉑ 【金融/海外】 欧州復興開発銀行 エジプト初のグリーン水素製造施設に約112億円の融資 

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欧州復興開発銀行(EBRD)は15日、エジプト初のグリーン水素施設を開発するエジプト・グリーン社に8000万ドル(約112億円※)の融資を行い、エジプト経済の脱炭素化およびパリ協定を支援すると発表した。EBRDの融資は、再生可能エネルギーを利用する10万kWの電解槽設備の取得と建設に充てられる。これらの設備により年間最大15,000トンのグリーン水素が製造され、エジプトおよび国際市場で販売されるグリーンアンモニアの生産に使用される予定。エジプトは、EBRDの設立メンバーであり、EBRDは2012年のエジプトでの事業開始以来、エジプト全土の154のプロジェクトに100億ユーロ以上を投資している。(11月15日プレスリリース)※1米ドル=140円換算。

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【用語解説】

・トップダウン手法:衛星やドローンを用いて「上空」から温室効果ガスを測定する手法。サイトや地域における包括的な排出状況を観測することができる。

・水素吸蔵合金:一般的には金属の原子が作る隙間に水素を取り込み、100℃程度の比較的低温で加熱することにより、取り込んだ水素を放出することができる材料のこと。金属原子間に取り込まれた水素は原子状になっているため、水素吸蔵合金中の水素が占める体積(体積水素密度)は、液体水素よりも高い。但し、貯蔵量当たりの重量が圧縮水素や液化水素よりも重いため、輸送用途には向かないとされている。水素吸蔵合金としてLaNi5やTiFeなどが挙げられる。