FH2R

8月25日に、福島県浪江町にある10MW級のアルカリ水電解装置を備えたPower-to-Gas施設である「福島水素エネルギー研究施設(FH2R)」を見学させていただきました。

本施設は、「電力系統への調整力」と「水素製造」の2つの価値を1つのPower to Gasシステムで実現するための研究開発施設として、2020年2月末より稼働開始しています(水素製造能力:毎時300Nm3~2,000Nm3(定格運転時1,200Nm3))。

変動応答性の高いアルカリ水電解装置と、水素や電力の需要予測データ等を活用した最適運用を実現する制御システムを開発し、変動の大きい再生可能エネルギー電力の最大利用と、クリーンかつ低コスト水素の製造技術確立を目指す実証設備です。 

FH2Rで製造した水素は、圧縮水素トレーラーやカードルで輸送され、福島県内外の定置型燃料電池や燃料電池車・バス等のモビリティ用途に使用されています。 

実際に現地でこれらの施設を見学させていただくことで、再エネからの水素製造、タンクでの貯蔵、利用先への水素供給など水素サプライチェーンの構築を体感できたこと、実証設備の建設工事や立ち上げに伴う関係者のご苦労等を伺うことで、実際に実証運転に移行させていくことの大変さ、その際自治体と関係企業間との連携と信頼感の醸成が何よりも重要であることを学んだことが訪問の最大の収穫でした。

また、昨年開催されたTOKYO2020大会の聖火リレーや選手村で、FH2Rで製造した水素が活用されたこともご紹介をいただきました。

この実証結果が、今後の水素社会実現の礎となっていくことが間違いないことを確信して、浪江町を後にしました。お忙しいところ、ご対応ご説明いただきました東芝エネルギーシステムズ(株)の山根様にこの場をお借りして御礼申し上げます。