九重地熱水素実証(大林組)

7月6日、大分県玖珠郡九重町に所在する大林組様の地熱発電によるグリーン水素製造施設を見学いたしました。2021年7月より稼働している本施設は、地熱発電電力を利用した水電解装置により水素を製造しており、グリーン水素の製造量としては10Nm3/h。製造されたグリーン水素は、継続的に近隣の水素ステーションや研究施設へ供給されています。

一方、燃料電池搭載型船舶試験運転や2021年に大分県日田市のオートポリスで開催された自動車レース「スーパー耐久シリーズ第4戦」で、トヨタ自動車株式会社の「水素エンジン搭載カローラ」向け燃料の一部としても利用されています。

また地熱による水素製造を中央監視しているだけでなく、水素の社会実装に向けた水素の最適運用を目指し水素搬送管理EMS(Energy Management System)の実証実験も行われております。

撮影:株式会社クアッド

大林組様のお取組は、地熱発電由来のグリーン水素を工場など九州各地へ陸送するスキームを実証する地産地消を推進し住民に対して水素を身近なものとする効果もあります。また、地熱発電の課題といわれる「ロケーションを原因とした送電網容量不足」、「他再エネ発電比で開発期間が長期のため経済性確保」等の課題解決策を模索するものであり、JH2A事務局員としても今後の水素バリューチェーン構築に向け重要な検証であると感じました。

大林組様 Webサイト https://www.obayashi.co.jp/green_energy/project/hydrogen/