■■ JH2A NEWS PICK-UP Vol.46 ■■ 2024/6/24

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① 【政策/国内】東京都 パイプライン等を用いた水素利活用の実現可能性調査等を行う事業者を募集

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東京都は4月に将来的な海外からの水素受入を想定した新たな官民の協議体を設置するなど東京都内における水素供給体制の構築に向けた議論を推進している。この度、空港臨海部においてパイプラインの敷設等を伴う大規模な水素の利用や供給の実現可能性調査(フィジビリティスタディ)等を実施する事業者の募集を開始した。提案書の提出期間は、令和6年7月4日(木)から同年7月25日(木)までで、審査会で選定した事業者と東京都が協定を締結し、事業を実施する。選定される事業者は1~2者程度。グループでの応募も可。

調査にあたり東京都が負担する金額の上限は合計で105,357,000円。

https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/energy/topics/Hydrogen_supply_system/index.html

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② 【政策/国内】福島県 小名浜港港湾脱炭素化推進計画を発表

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福島県は、小名浜港港湾脱炭素化推進計画をまとめた。本計画の目標は、以下のとおり、取組分野別に指標となる KPI(Key Performance Indicator:重要達成度指標)を設定し、短期・中期・長期別に具体的な数値目標を設定した。25年度に年間のCO2排出量を180万t(13年比26%減)、30年度に107万t(同56%減)まで減らす。小名浜港においては、荷役機械のハイブリッド化など物流における省エネ化等を進めてきた。今後、カーボンニュートラルポートの形成に積極的に取り組む。また、アンモニア利用等によるエネルギー分野の脱炭素化の取組を可能とする港湾インフラの整備を着実に進める。さらに、次世代エネルギーの供給拠点としての大規模受入基地を目指し、国内外から水素、アンモニアなどの受け入れを通じて、新たな関連事業の展開、産業立地、投資を呼び込むこととし、いわき市と連携しながら、本港を核とした地域の産業立地競争力の強化を図っていく。

(一般報道より)

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③ 【政策/国内】環境省 令和6年度既存のインフラを活用した水素供給低コスト化に向けたモデル構築・FS事業(一次公募)の採択

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「令和6年度既存のインフラを活用した水素供給低コスト化に向けたモデル構築・FS事業(一次公募)」へ応募のあった提案のうち、3件を採択。本事業は、既存のインフラ等を活用してコスト低減を図り、地域資源である再生可能エネルギー等から水素をつくり、はこび、ためて、つかうといった製造から利用まで一貫した地域水素サプライチェーンモデルの構築を目指したFS(Feasibility Study)事業を行う。

1、北海道十勝地方における農機・建機の水素化に向けた水素供給(事業実施者 水素バリューチェーン推進協議会)

2、愛知県知多市における低炭素水素モデルタウンの事業化可能性調査(事業実施者 愛知県)

3、低コスト水素サプライチェーン創生に向けたエリア拡張型地域資源融合山口モデルのFS(事業実施者 地方独立行政法人山口県産業技術センター)

公募結果:https://www.env.go.jp/press/press_03294.html

(6/14 環境省より)

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④ 【SC/国内】福岡県 北九州市響灘臨海エリアを中心とした水素・アンモニアの商用サプライチェーン構築実現可能性調査

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福岡県水素拠点化推進協議会は、同会員の一部からなる企業連合を中心に、北九州市響灘臨海エリアを中心とした水素・アンモニアの商用サプライチェーン構築実現可能性調査を開始した。本協議会は2023 年 5 月に設立。産学官一体で北九州市響灘臨海エリアを中心とする水素等拠点形成に関する検討を更に推進させるため、産官連携で本調査を行うことに合意した。北九州市は、自然災害が少なく、陸運や内外海運の要衝であるとともに、豊富な再生可能エネルギーや港湾インフラを有する。広大な埋立地である北九州市響灘臨海エリアを中心に半径 10~15 ㎞圏内には鉄鋼・化学・発電・ガス等の脱炭素化が困難な産業を含む多様な産業が集積しており、運輸・物流等、多様な分野で水素等利活用のポテンシャルを有している。 現時点での水素等需要ポテンシャルは、2030 年に9万t、2040 年に70万tであり、実現性を確認するため、国内外における水素等製造を見据えた輸入・揚陸、貯蔵、脱水素、配給(パイプライン・ローリー)を備えた拠点整備と商用サプライチェーン構築に関する調査を実施する。

(6/3 プレスリリースより)

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⑤ 【SC/国内】関西電力等 姫路地区を起点としたグリーン水素の大規模輸送・利活用に向けた調査

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関西電力、西日本旅客鉄道、日本貨物鉄道、日本電信電話、NTTアノードエナジー、パナソニックの6社は、以前より兵庫県姫路エリアでインフラを活用した国内水素輸送・利活用等に関する協業について検討しており、この度NEDOの助成事業として採択された。事業期間は、2024年度から2025年度までであり、鉄道や通信用管路といった既存インフラを活用し、水素製造・貯蔵拠点を起点とした大規模で低コストかつ低炭素な水素輸送を確立することで、水素需要創出と効率的なサプライチェーン構築に貢献することを目的とする。

調査は「輸送方法」「利活用先」「法規制」の3項目に分けて実施。各社の役割は以下となる。

関西電力:水素供給管理システムの検討・モデル構築等、JR西日本:線路敷パイプラインおよび水素利活用の検討等

JR貨物:鉄道による全国への水素輸送の検討等、NTTアノードエナジー:通信管路を活用した水素パイプラインの構築における法規制調査等

NTT:通信管路を活用した水素パイプラインの構築における需要調査等、パナソニック:水素を使った自社製燃料電池の活用の検討等

(6/11 プレスリリースより)

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⑥ 【SC/国内】コーセー 南アルプス工場のエネルギーに「水素」を活用

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コーセーは、山梨県南アルプス市に新たな生産拠点である「南アルプス工場」を建設するにあたり、生産子会社であるコーセーインダストリーズおよび山梨県と、持続可能な社会の構築に向け、三者で連携することに合意。山梨県産のグリーン水素をはじめとした環境に配慮したエネルギーを最大限に活用し、水由来のエネルギーの地産地消に取り組む。南アルプス工場の建設は2024年7月に着工し、2026年上期中の稼働を計画。化粧品の製造において「水」は重要なファクターであることから、清澄で豊富な水資源に恵まれた山梨県に新工場を建設する。水素発生装置「やまなしモデルP2Gシステム」の導入なども視野に入れ、例えば工場内で循環処理された水と太陽光から自家発電した電力を利用して水素を発生させるなど、工場稼働後も資源を循環させながら、環境に配慮したエネルギーへの転換を推進する。山梨県が誇る水を活用したエネルギーの「地産地消モデル」の構築を、全国に先行するモデルとして行政とともに取り組み、カーボンニュートラル社会の実現と地域の活性化に積極的に取り組む。

(6/5 プレスリリースより)

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⑦ 【SC/国内】三菱商事等 北海道千歳エリアにおけるグリーン水素供給に向けた共同検討

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三菱商事、高砂熱学工業、北海道電力およびエア・ウォーター北海道の4社は、北海道千歳エリアにおけるグリーン水素供給に向けた共同検討に関する協定を締結。千歳エリアは、北海道の空の玄関口である新千歳空港や、様々な企業群が集積している工業団地を有している他、次世代半導体の量産製造拠点の立地が決定しているため、脱炭素化の手段としてグリーン水素の活用ニーズが見込まれる。

本検討に関連する事業性調査「千歳市内でのグリーン水素供給ならびに道内他拠点との連携を見据えたインフラ整備に関する調査事業」が、資源エネルギー庁の「非化石エネルギー等導入促進対策費補助金(水素等供給基盤整備事業)」の対象として採択された。今後、4社は協定に基づき、地産地消型のグリーン水素供給に向け、需要家のニーズも踏まえ、水素製造・貯蔵サイト候補地の検証や輸送方法

など最適な供給方法の検討を進める。

(6/17 プレスリリースより)

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⑧ 【SC/国内】三菱HCキャピタル 第三者保有オンサイト型水素供給モデルをめざし宮古島でのグリーン水素製造実証事業協業の検討を開始

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三菱HCキャピタル株式会社、一般財団法人電力中央研究所、株式会社ネクステムズは、水素需要地にて再生可能エネルギー由来の電力を使用して水素の製造・供給と消費を完結させる「第三者保有オンサイト HPA モデル」について、2026 年度中に宮古島で実証事業の開始をめざし、事業検討を開始した。本事業検討では、水素需要の候補先として、宮古島観光の先駆者でもある「宮古島東急ホテル&リゾーツ」と、島を代表する特産物「雪塩」を製造する製塩工場(株式会社パラダイスプラン)の協力のもと、主にボイラや温水器を稼働するために使用している化石燃料を水素に転換することを検討。水素を製造するための電力は、各施設でのオンサイト太陽光発電、ネクステムズや三菱HCキャピタル等が出資する株式会社宮古島未来エネルギーが保有する島内に分散した太陽光発電の活用を検討。

(6/21 プレスリリースより)

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⑨ 【パイプライン/国内】JFEスチール 高圧水素輸送用ラインパイプ材の研究開発について

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石油メジャーなどが参画する「海洋石油・天然ガスに係る日本財団とDeepStarの連携技術開発助成プログラム」の水素関連技術開発Phase Iにおいて、同社製品の電縫鋼管(マイティーシーム®)を用いた、高圧水素輸送用ラインパイプ材の特性評価に関する研究開発を実施してきた。約1年間のPhase Iにおける研究成果が認められ、引き続きPhase IIに採択された。Phase IIでは、海底パイプラインを想定した厚肉高強度UOE鋼管へ研究対象を拡大し、引き続きDeepStarメンバーである石油メジャーのExxonMobil社、Chevron社(米国)、otalEnergies社(フランス)と連携し、高圧水素輸送用の鋼管材料などの評価基準および方法を確立し、高圧水素輸送海底パイプラインの実用化を目指す。水素製造プラントや水素受入基地から需要地への大量輸送の手段として、現在の天然ガスと同様にパイプラインを利用することが考えられている。一方で、水素は鋼材を脆くする(延性を低下させる)性質があり、海外ではこの性質を踏まえ、安全基準や品質調査のための材料特性評価法の整備が進む。今回の研究開発は、Phase Iと同様に同社千葉地区にあるスチール研究所で、高圧水素パイプラインに求められる必要特性について、ECA技術などを用いた研究を実施すると共に、鋼管材料とその溶接部から採取した試験片を用いて、高圧水素環境試験での性能を評価し、その安全性を検証する。

 (6/13プレスリリースより)

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⑩ 【FCV/国内】エイチワン 燃料電池車用バイポーラプレートの開発・生産に2027年3月期までの3年間で約20億円を投じる

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株式会社エイチワンは燃料電池車(FCV)用バイポーラプレートの開発・生産に2027年3月期までの3年間で約20億円を投じる。経営資源を優先的に配分し、国内で開発から量産まで一貫体制を強化する。主要取引先のホンダが米国でFCVの生産を開始するなど需要拡大が見込まれている。開発・生産体制を拡充し、バイポーラプレートの売上高を27年3月期に24年3月期比2・5倍に引き上げる。

バイポーラプレートはFCVに搭載される燃料電池の構成部品の一つ。極めて薄いステンレス材に水素や酸素、冷媒を流すための微細な加工を施しているのが特徴で、燃料電池1台当たり数百枚使用されている。日本で量産する企業は少なく付加価値の高い事業である。

製造を手がける前橋工場(前橋市)を中心に生産技術や開発の強化、開発・生産設備の拡充を図る。エイチワンの調べでは燃料電池の世界市場は22年時点で約4000億円の規模があり、30年には約4兆円に拡大すると予想する。自動車をはじめ、商用車や建設機械、飛行ロボット(ドローン)、定置用電源など多用途で採用を働きかけていく。

(6/21 一般報道より)

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⑪ 【水素燃料船/国内】上野トランステック他 世界初、液化水素を燃料とするオイルタンカーの設計で基本設計承認(AiP)を取得

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上野トランステック株式会社は、ヤンマーパワーテクノロジー株式会社、三井E&S造船株式会社と共同で研究開発を行い、機関室に水素エンジンを搭載可能なタンカー(5,000KL型 白油船)の設計で、一般財団法人日本海事協会(以下、ClassNK)から基本設計承認(AiP: Approval in Principle)を取得した。本設計は、上野トランステックが参画する公益財団法人日本財団の「水素エンジン大型内航タンカー開発とゼロエミッション船実証」の一環。オイルタンカーで液化水素を燃料とする設計でのAiP取得は、世界初。世界的に脱炭素化が進む中、海運業界でも早期の対応が求められており、3社による先進的な船型設計技術は、今回のAiP取得により、近い将来、サプライチェーンやバンカリング(燃料として水素を船に供給)などの水素インフラが整備され次第、水素燃料船建造を実現可能な設計として承認を得た。

(6/17 プレスリリースより)

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⑫ 【研究/国内】能代市・JAXA他 水素に関する事業や研究の拠点の整備に向けたプロジェクトチームを立ち上げ

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能代市が、水素に関する事業や研究の拠点の整備に向けたプロジェクトチームを、宇宙航空研究開発機構・JAXAなどと連携して立ち上げた。能代市は水素関連の企業を誘致し、実験や研究を行う学生も呼び込むなどして、活性化につなげたい考え。プロジェクトチームを立ち上げたのは、能代市とJAXA、それに再生可能エネルギー関連の研究に力を入れている秋田大学と早稲田大学。チームの発足式が19日に行われ、水素に関する事業や研究の拠点の整備などを目指す「水素ラボ構想」を発表。構想によると、プロジェクトチームは、JAXAの能代ロケット実験場の液体水素貯蔵タンクから出るガスを回収して、燃料として再び使えるようにする設備をつくる。生み出した燃料を水素関連の企業に提供して、製品の開発などに生かしてもらう考え。また、実験場内に、水素関連の実験や研究を行う企業や学生の拠点を新たに整備し、専門的な教育や人材の育成にも取り組むことを目指している。

(6/20 一般報道より)

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⑬ 【政策/海外】日本政府 第1回日韓水素アンモニア等協力対話を実施

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経済産業省は、6月14日、韓国・ソウルにて、第1回日韓水素アンモニア等協力対話を実施し、協力枠組みの体制強化に向けた議論等が行われた。今般の対話は、本年2月に立ち上げた「日韓水素アンモニア等協力対話」の第1回目の開催となり、官民が一体となった協力枠組みの体制強化に向けた議論や両国が進める水素・アンモニア政策の動向について意見交換を行った。対話の成果として、1. 両国の温室効果ガス削減目標(NDC)を達成し、エネルギー安全保障を確保するため、水素およびアンモニア等の分野で相互協力を強化することの合意、2. 「規格・標準に関する連携」について、官民一体となった協力強化に向けて、「炭素強度及び認証に関する作業部会」「モビリティ等の規格、標準連携に関する作業部会」「水素等の安全に関する作業部会」の3つの作業部会を設置し、議論を加速させることの合意、3. グローバルなクリーン水素等サプライチェーンの構築における協力を拡大しつつ、両国の民間企業主導のクリーン水素等サプライチェーン協力の拡大策に関する模索の3つの成果を得た。

(6/14 日本政府報道より)

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⑭ 【政策/海外】日本政府 水素・アンモニアの普及に向けた日尼フォーラム開催及び連携協力覚書の締結

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国際協力機構(JICA)は、5月31日、ジャカルタにて、水素・アンモニア日尼連携促進フォーラムを日尼政府関係者、民間企業を招いて開催し、JICAはインドネシアのエネルギー鉱物資源省、国立研究革新庁及びインドネシア燃料電池水素エネルギー協会との間で、次世代のエネルギーである水素・アンモニアの普及に向けた連携協力覚書に調印した。4 者で締結したMOC では、水素・アンモニアに係る政策、規制・制度、技術・規格に関する協力や、日尼の官民関係者とのフォーラム等を通じた連携促進、および最新の技術に関する尼側実施機関のキャパシティビルディング等の分野で協力していくことを確認した。更に、JICA は、今回締結した覚書に基づき、新たに水素及びアンモニアのサプライチェーンに関する基礎情報収集・確認調査を 2024 年内に開始する予定とした。また、インドネシア・エネルギー鉱物資源省のエニヤ局長は、中長期のインドネシアの水素ロードマップを24年内に策定する考えを示した。

(6/11 プレスリリースより)

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⑮ 【政策/海外】香港政府 香港水素エネルギー開発戦略を発表

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香港政府は、6月17日、香港水素エネルギー開発戦略(水素戦略)を発表した。水素戦略によると、政府は2025年前半に法改正を行い、2027年までに国際基準に沿った水素の標準化された認証モデルを開発、香港全域に水素エネルギーのインフラ設備の設置するとした。然しながら、当面は水素エネルギーの導入推進を慎重に進める方針であり、まずは天然ガスや石炭などの化石燃料を原料としたグレー水素を活用し、ルールや基準の策定、人材育成を含めたインフラが成熟し、コスト効率を考慮した上で、ブルー水素、グリーン水素を導入するとした。謝展寰局長は記者会見にて、「水素は大きな発展の可能性を秘めた低炭素エネルギー源として認識されており、世界各国が水素エネルギー産業の発展を急いでいる。日本には水素エネルギー産業発展のための十分な基盤があり、水素エネルギーを将来の国家エネルギーシステムの重要な一部として明確に位置づけている。水素エネルギー開発のチャンスをつかむことで、香港がカーボンニュートラルに移行し、新しい品質の生産性を開発し、国際競争力を維持するのを助けることができる。」と表明した。

(6/17 香港政府報道より)

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⑯ 【政策/海外】国営インド太陽エネルギー公社(SECI)年間539,000トンのグリーンアンモニアを供給するサプライヤーを開始

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SECIは、落札したサプライヤーと、入札条件に基づき10年間のグリーン・アンモニア生産者契約(Gapa)を締結する。参加者は、Gapaの期間中有効な固定価格を提出する。本入札の落札サプライヤーは、インド国内にグリーンアンモニア製造施設を設置し、リン酸肥料メーカーにグリーンアンモニアを製造・供給することが求められる。落札したサプライヤーは、以下の政府補助金を受けることができる。

生産・供給初年度のグリーンアンモニア 1kg あたり 8.82 ルピー (105.62 ドル/t)生産・供給 2 年目は1kg あたり 7.06 ルピー生産・供給3 年目は 1kg あたり 5.30 ルピー。

(一般報道より)

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⑰ 【政策/海外】Hydrogen Council  2030年までの水素導入に向けた取り組みを加速

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水素に関する官民の取り組みを加速させるための重要な一歩として、ドイツのロバート・ハーベック経済・気候行動大臣と欧州委員会の欧州グリーンディール担当執行副委員長マロシュ・シェフチョビッチ氏は本日、Hydrogen Council幹部の世界代表団と会談した。

2024年6月11日,水素に関する官民の取り組みを加速させるための重要な一歩として、ドイツのロバート・ハーベック経済・気候行動大臣と欧州委員会の欧州グリーンディール担当執行副委員長マロシュ・シェフチョヴィッチは、Hydrogen Counciエグゼクティブリーダーたちは、マクロ経済の逆風にもかかわらず、バリューチェーン全体で水素への投資額が前年比90%増加しているというこの分野の継続的な進歩を評価した。同時に、リーダーたちは、政府と業界による断固とした協調行動が、水素の導入を成功に導く次の段階を支援するために必要であることに合意した。欧州では、需要側と中流側での促進策の完全な実施と、より多くのプロジェクトを最終投資決定(FID)段階に進めるための複雑な立法に取り組むことが最優先事項。

 (一般報道より)

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⑱ 【アンモニア/海外】JERA等 タイにおける水素・アンモニアの需要調査およびアンモニア分解装置の安定稼働を実現するための実証研究採択

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株式会社JERAは、子会社のJERA Asia Pte. Ltd. および東洋エンジニアリング株式会社と共同で、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「脱炭素化・エネルギー転換に資する我が国技術の国際実証事業における実証要件適合性等調査」に応募し、採択通知を受けた。アンモニアは、燃焼時にCO2を排出しない脱炭素燃料であると同時に、分解(クラッキング)により水素を取り出せることから、水素を輸送・貯蔵できるキャリアの一つとして期待されている。早期の水素社会実現のためには、アンモニアから水素を取り出すアンモニア分解装置の水素需要への機動的な運用やコスト低減が重要。本調査は、3社が共同でタイにおける安定的な水素供給の方法と幅広い産業への利用普及の可能性を調査すると同時に、アンモニアから水素を取り出す技術や、水素を貯蔵する設備を含む全体システムの最適化を検討するもの。事業期間は2024年度中頃から1年間の予定。

 (6/11 プレスリリースより)

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⑲ 【グリーン水素/海外】大林組 ニュージーランド初となるグリーン水素高速充填施設の営業を開始

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株式会社大林組は、ニュージーランドのTuaropaki Trust(以下、トゥアロパキ・トラスト)と共同で設立した事業会社Halcyon GreenHydrogen Limited(以下、ハルシオングリーンハイドロジェン)を通じて、本年6月10日に、同国最大都市オークランドの近郊、ウィリにおいてグリーン水素の高速充填施設の営業を開始した。導入する高速充填装置はオーストラリアのH2H Energy社製で、大型車両(トラック/バス)は15分程度で充填ができ、従来の簡易充填装置に比べ大幅に短縮することができる。さらに装置がコンテナ式のため、移設が容易という特長も有している。供給する水素は、大林組とトゥアロパキ・トラストの合弁会社であるHalcyon Power Limitedが同国タウポに所有する水素製造施設でつくられた地熱発電由来グリーン水素。グリーン水素を供給し高速充填装置を備えた営業施設としては、同国で初めての取り組みとなる。

(6/11プレスリリースより)

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⑳ 【水素貯蔵システム/海外】トヨタ自動車 ニュージーランド企業と水素貯蔵技術で連携

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ニュージーランドのエネルギー関連企業5社のトップが18日に都内で報道陣の取材に応じた。日本のビジネス界との関係強化を目的に、ニュージーランド大使館商務部の支援のもとで主要企業の代表者が17日から来日。エネルギー関連トップは、地熱発電や水素などの事業について、日本との関わりを交えつつ紹介した。その中で、水素の生産や液化、供給などを展開するファブラムは、液化水素貯蔵技術をトヨタ自動車に提供すると発表。再生可能エネルギー由来のグリーン水素で連携する。オジャス・マハパトラCEO(最高経営責任者)は「ニュージーランドで水素を製造し、日本に届けることも探求していければ」と将来を見据えた。尚、ファブラムの株主は大林組。

(一般報道より)

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㉑ 【合成燃料/海外】川崎汽船 ベルギーTES社とe-メタンに関する共同検討を開始

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川崎汽船株式会社は、Tree Energy Solutionsと、2050年の海運業界における温室効果ガス排出量ネットゼロへの移行に向け、e-メタンに関する包括的な共同検討を開始することで合意した。両社は、海上輸送におけるよりクリーンな燃料の使用を進めるためのバリューチェーン構築を始めとして、e-メタンに関するパートナーシップについて幅広く議論してきた。本検討を通じ、TES社が生産したe-メタンの船舶燃料としての利用可能性の検討、制度設計の研究、将来のe-メタン及び原料としてのCO2輸送に向けたe-メタン輸送船や液化CO2輸送船の管理・運航に関する技術的な提携を行う。また、両社は、低炭素・脱炭素燃料、カーボンインテンシティ、CO2量の算定や証明書などに関連する制度についても研究していく予定。

(6/12 プレスリリースより)

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㉒ 【燃料電池船/海外】中国  中国初の商用水素燃料電池動力船が引き渡し

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中国初の商用水素燃料電池動力遊覧船「西海新源1号」が22日、江西省九江市で正式に引き渡された。第1陣の観光客が「西海新源1号」に乗船して、江西省廬山と西海を遊覧し、グリーン動力の便利さと快適さを体験。「西海新源1号」は国家のグリーン発展戦略に呼応し、地域の水運のグリーンモデルへの転換を推進するために建造された実証型の船舶。同船の全長は23.65メートル、型幅は5.5メートル、型深さは2.4メートル、計画満載喫水線は0.95メートルで22人を乗せることができ、最大速度は時速25キロです。船全体がアルミ合金構造になっており、ツインモーター・ツインスクリュー推進を採用しています。動力は水素燃料電池とリチウム電池の混合ツインパワーシステムで、ゼロ汚染・ゼロ排出、高い快適性と低エネルギー消費、低騒音などの特徴を持っている。

(6/22 一般報道より)