■■ JH2A NEWS PICK-UP Vol.44 ■■ 2024/5/27

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① 【政策/国内】日本政府 水素社会推進法・CCS事業法の公布

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2024年5月24日「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律」及び「二酸化炭素の貯留事業に関する法律」が公布された。 脱炭素社会の実現に向けて、水素やアンモニアの利用促進を図る(水素社会推進法案)二酸化炭素(CO2)を地中深くに貯留・圧入するCCSと呼ばれる技術の実用化に向けた環境整備を図る(CCS事業法案)ための規制が盛り込まれている。 2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、鉄鋼・化学等の産業や、モビリティ、発電といった、脱炭素化が難しい分野においてGXを推進するため、これらの分野における低炭素水素等の供給・利用の促進を図るとともに(水素社会推進法案)、CCS(二酸化炭素の地中貯留)に関する事業環境整備を行う(CCS事業法)ものであり、2023年7月に閣議決定された「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」に基づいて、所要の措置を講じるもの。

(一般報道より)

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② 【政策/国内】日本政府 2040年の脱炭素戦略策定へ 年内めど、原発再エネ拡充

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政府は13日、2040年の脱炭素や産業政策の方向性を示す国家戦略「GX(グリーントランスフォーメーション)2040ビジョン」を、年内をめどに策定すると発表した。長期的な見通しを打ち出すことで、企業が投資計画を立てやすくする狙いがある。データセンターなど大量に電力を消費する投資案件に備え、再生可能エネルギーや原発など「脱炭素電源」の拡充策をまとめる。15日に政府のエネルギー政策の指針「エネルギー基本計画」の見直しの議論を始めることも表明。並行して安定供給に向けた道筋を議論する。脱炭素社会に向けた対応策を議論する「GX実行会議」をこの日首相官邸で開き、岸田文雄首相が検討を指示。昨年7月に閣議決定した政府戦略「GX推進戦略」を発展させる形でGX2040ビジョンをつくる。データセンターや半導体工場など大量に電力を消費する地方の産業集積地を「脱炭素産業ハブ」と命名。産業集積と併せて脱炭素電源で安定的に電力を供給できる立地に送電網の整備などを進める。水素・アンモニアなどの供給拠点も合わせて支援を検討する。(一般報道より)

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③ 【政策/国内】中部経済連合会 「次期エネルギー基本計画策定に対する提言」を発表

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中部経済連合会は、総合政策会議において、エネルギー・環境委員会が取りまとめた提言書「次期エネルギー基本計画策定に対する提言」を承認し発表した。本提言書は、わが国のエネルギー政策の根幹であるエネルギー基本計画の見直しが開始されたことに伴い、ものづくり産業の中心地である中部圏においてカーボンニュートラルの実現と経済成長の両立可能な計画とすべく取りまとめている。原子力発電の最大限の活用や化石燃料の柔軟かつ安定・安価な調達、再生可能エネルギー導入拡大に向けた電力ネットワークの強化など8項目を記載。水素やアンモニアなどの脱炭素燃料への転換を促す政策について、「受け入れ拠点の整備など供給側の支援に加え、需要側への支援も検討し普及を加速すべきである。さらに、ファーストムーバーだけではなく、セカンドムーバー以降への支援についても検討が必要である。」と記している。

(5/20 プレスリリースより)

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④ 【政策/国内】日本政府 サウジアラビア王国皇太子兼首相と首脳テレビ会談を実施

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岸田文雄内閣総理大臣は、ムハンマド・ビン・サルマン・ビン・アブドルアジーズ・アール・サウード・サウジアラビア王国皇太子兼首相と首脳テレビ会談を行った。会談の中で、岸田首相から長年に亘る原油の安定供給への謝意を述べた後、昨年7月に両国間で一致した「ライトハウス・イニシアティブ」の下で、日本の技術を活用しつつ、水素・アンモニア等のクリーンエネルギーのグローバルなサプライチェーンの構築において協力し、また鉱物資源分野の協力も進めたい旨述べた。ムハンマド皇太子からは、引き続き日本への原油の安定供給にコミットする旨を述べつつ、クリーンエネルギー分野でも、サウジアラビアが世界最大の水素・アンモニアの生産国になるために、協力していきたい旨発言があり、サプライチェーン(供給網)の構築に向けた協力を確認した。また、包括的な2国間関係の強化を図るため、両首脳を議長とする「戦略的パートナーシップ協議会」を立ち上げることでも一致した。

(5/21 日本政府報道)

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⑤ 【政策/国内】経済産業省・NEDO 「省エネルギー・非化石エネルギー転換技術戦略2024」を策定

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NEDOと経済産業省資源エネルギー庁は、省エネルギー技術および非化石エネルギー転換技術の研究開発や普及を効果的に推進するため、将来に向けて省エネルギーおよび非化石エネルギー転換に大きく貢献する重要技術を特定した「省エネルギー・非化石エネルギー転換技術戦略2024」を策定した。本戦略では、「第6次エネルギー基本計画」、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」、「クリーンエネルギー戦略 中間整理」、「GX実現に向けた基本方針」や「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」(以下、省エネ法)改正などを踏まえて、脱炭素につながる非化石エネルギー転換に係る技術を新たに追加し、取りまとめた。本戦略について、2024年3月6日から2024年3月22日まで本戦略の案に対する意見募集を行い、寄せられたご意見に対する結果を併せて公表する。

(5/14 プレスリリースより)

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⑥ 【サプライチェーン/国内】日立・JR東海・ENEOS 水素サプライチェーン構築で連携‐脱炭素化を加速

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日立製作所(日立)、東海旅客鉄道(JR東海)、ENEOSの3社は5月16日、水素動力車両を導入するために必要な水素サプライチェーンを連携して構築することについて、基本合意書を締結したと発表した。3社は、JR東海がディーゼル車両の脱炭素化の手段として開発している水素動力車両の導入に向けて、JR東海の非電化路線へ安定的に水素を供給し利用することができるよう連携する。加えて、新しい技術の開発にも挑戦する。JR東海が目指している水素動力車両の運行には、安定的かつ大量の水素供給が必要。そのため、水素動力車両の開発だけでなく、製造した水素の輸送・貯蔵、車両への充填、搭載・利用といった一連の水素サプライチェーンを構築する必要がある。今後3社は鉄道に最適な水素サプライチェーンのあり方を検討していく。また、鉄道車両上でメチルシクロヘキサン(MCH)から水素を取り出す国内外で事例のない技術開発にも挑戦する。

(一般報道より)

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⑦ 【水素製造/国内】三菱化工機等 高圧用CO2分離膜の水素製造システムへの適用性検討がNEDOの助成事業に採択

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三菱化工機と次世代型膜モジュール技術研究組合が共同提案した「高圧用CO2分離膜の水素製造システムへの適用性検討」が、NEDOが公募した、「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2分離・回収技術の研究開発/二酸化炭素分離膜システム実用化研究開発」の助成事業として採択された。本助成事業において両者は、CO2分離回収型水素製造の実証試験を共同で実施。

次世代型膜モジュール技術研究組合が開発したCO2分離用分子ゲート膜を三菱化工機が保有する水素製造装置へ組み込んだCO2分離回収型水素製造装置の開発を進め、2028年度中の商業利用開始を目指す。加えて、実証試験の結果をもとにCO2分離回収コスト、低炭素水素製造コストの評価を行い、2030年に予想される低炭素水素市場価格やCO2ガス市場価格に経済的に見合った製造コストとするための課題を洗い出し、早期の社会実装を目指す。

(5/20 プレスリリースより)

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⑧ 【水電解/国内】旭化成  川崎製造所における水素製造用アルカリ水電解パイロット試験設備を本格稼働

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旭化成株式会社は、川崎製造所においてアルカリ水電解パイロット試験設備(以下「本設備」)の本格稼働を開始し、2024年5月13日に開所式を開催した。当社は水素関連事業において、水素製造装置・システムの開発を推進しており、世界で求められる100MW超級の水電解装置の提供を目指す。本設備は、商用機と同じサイズの電解セルを用いた4台の水電解モジュールで構成されており、各モジュールの運転負荷を変化させながら制御することで、水電解システム全体として最適な運用ができることを実証する。電解槽のメンテナンス時やトラブル発生時における柔軟な運用や、夜間を想定した低出力運転など、さまざまな環境における設備挙動を再現する。

これにより、機器設計や運用手法、制御技術の検証と改良に繋げていく。また、太陽光や風力といった再生可能エネルギー由来の変動する電力を再現できる設備設計としており、再生可能エネルギーとの連携や電力系統における調整力提供に向けた運用が検証可能。

(5/14 プレスリリースより)

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⑨ 【鉄道輸送/国内】JR西日本・日本貨物 岡山地区における水素輸送・供給に関する調査検討開始

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西日本旅客鉄道株式会社と日本貨物鉄道株式会社は、国土交通省の令和5年度鉄道技術開発費補助金(鉄道脱炭素施設等実装調査)の交付を受け、岡山地区におけるメチルシクロヘキサン(MCH)による水素輸送・供給に関する調査検討を実施する。倉敷市水島から津山市にわたる岡山地区において、水素キャリアとしての MCH、脱水素後のトルエンの貨物鉄道による輸送に関する調査、複数種の交通機関等に供給する総合水素ステーションの設置・運営に関する調査、水素輸送・供給までの事業モデルの実現性および事業性の評価を行う。貨物鉄道による輸送に関する調査をJR貨物、総合水素ステーションの設置・運営に関する調査をJR西日本が行い、水島製油所において水素の受入・貯蔵・供給に向けた検討を行っている ENEOS 株式会社と連携して、事業モデルの構築を目指す。

(5/24 プレスリリースより)

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⑩ 【FC発電機/国内】デンヨー 量産型燃料電池式可搬形発電装置の開発

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デンヨーは、株式会社豊田自動織機が新たに開発した汎用型の燃料電池モジュールを採用して発電容量 7kW の量産型燃料電池式可搬形発電装置の開発に着手した。採用したFCモジュールは、トヨタ自動車株式会社の燃料電池自動車「MIRAI」に搭載されている第2世代燃料電池セルを使用したFCスタックに加え、エアコンプレッサー、水素循環ポンプなどをパッケージ化したものである。

同社では、これまでの実証試験で得られた知見をもとに、FCモジュールの冷却構造を独自開発し、容積比2割減の小型軽量化となる量産型燃料電池式可搬形発電装置の開発を進めている。小型軽量化により可搬性が向上し、屋外現場へのスムーズな移動と容易な設置は、作業効率性のアップを実現する。

(5/21 プレスリリースより)

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⑪ 【工場利活用/国内】三井住友建設 自社PCa工場のカーボンニュートラル実現に向けた水素製造装置の導入

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三井住友建設株式会社は、プレキャストコンクリート(PCa)部材を製造する能登川工場(滋賀県東近江市)でのカーボンニュートラル(CN)実現に向けた取り組みとして、水素製造装置・貯蔵設備を新たに導入した。能登川工場では、工場全体のCO2排出量の約6割をPCa部材製造時に使用する蒸気ボイラーが占め、さらに約2割をコンクリート製造プラントやクレーンなどの稼働時電力が占めている。今回、同工場では新たに水素製造装置を導入し、購入する全電力を実質再エネ100%電力に切り替えることにより、グリーン水素を使用した蒸気ボイラーの稼働を開始した。また、実質再エネ100%電力への切り替えによって、各種設備の稼働時電力のCO2排出量をゼロにするなど、CN実現に向けた取り組みを加速する。

(5/17 プレスリリースより)

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⑫ 【水素バス/国内】福島県・東京都 福島産グリーン水素を燃料電池バスに導入

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福島県浪江町の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」で製造された水素を東京都内で将来にわたり継続的に利用する取り組みの本格化に向け、都内江東区の新砂水素ステーションで開始式を行った。東京都は今後、水素で走る都営の燃料電池バスや、業務で利用するトラックを運行する際に定期的に浪江産水素を活用する。都内での福島県産水素の利用は東京五輪・パラリンピックの聖火台などで実績はあるが、継続的な利用は初めてとなる。都内にある水素ステーション21カ所のうち、新砂水素ステーションで浪江町産の水素を扱い、月1回程度、浪江町のFH2Rから専用トレーラーで、燃料電池バス10数台分の燃料を満タンにできる量に相当する水素ガス約2600立方メートルを輸送する。

(5/21 一般報道より)

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⑬ 【アンモニア混焼/国内】中部電力等 アンモニア混焼小型貫流ボイラの開発に向けた取り組み

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三浦工業と中部電力は都市ガスとアンモニアを混焼する小型貫流ボイラの開発に向けた共同研究に関する契約を締結した。また、中部電力ミライズを加えた3社は、アンモニア混焼ボイラの商品化および販売に向けた検討を進めることで合意した。現在、工場等を中心に利用されている産業用ボイラは、主に重油やガスを燃料としており、燃焼時にCO₂を排出しない水素やアンモニア等の燃料転換が求められている。アンモニアは、輸送や貯蔵の技術が確立されているため、早期に社会実装が可能な脱炭素エネルギーとして期待されている一方で、高温での安定的な燃焼、燃焼時に発生するNOxの低減等、燃料としての利用には更なる技術革新が必要である。今後、三浦工業と中部電力は、本契約に基づき、都市ガスとアンモニアの混焼バーナの開発や、中部電力の技術開発本部内に設置する実験設備を用いた燃焼試験等に取り組み、中部電力ミライズを加えた3社で、アンモニア混焼ボイラの市場調査や製品仕様等の検討を行い、早期の商品化を目指す。

(5/21 プレスリリースより)

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⑭ 【グリーン水素認証制度/国内】東京都 グリーン水素を率先して利用した事業者を認証する制度の開始

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東京都は、都内でグリーン水素を率先して利用した事業者を認証する制度を新たに開始。この制度では前年度にグリーン水素を一定量利用した事業者を「グリーン水素率先利用事業者」として認証し、利用実績に応じて奨励金を支給する。認証事業者が使用できるロゴマークもある。なお、申請事業者が当該事業所内において利用したグリーン水素が対象となるため、水素ステーションは対象外。

[受付期間]

令和6年度4月30日(火)から同年7月31日(水)まで

 [ホームページURL]

https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/energy/greenhydrogen_certification_system/index.html

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⑮ 【サステナブルファイナンス/国内】みずほFG 水素等のサプライチェーン構築の加速に向けた資金供給力の強化

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みずほFGは、水素、アンモニアやe-メタン等への資金供給の重要性が増していることを踏まえ、2030年までに水素等の製造分野等に対し、2兆円のファイナンスの実行を目指し、水素等のサプライチェーンの構築・社会実装の加速に貢献するとした。みずほFGはサステナブルファイナスを計100兆円実行する目標を掲げており、今回の取り組みはその一環となる。目標の実現に向け、水素等に焦点をあてた戦略の策定、グループ一体で水素等に注力する体制の構築、専門人材の拡充を既に行っており、今後も、水素等のサプライチェーン構築の実現のために必要な取り組みを拡充するとした。

(5/16 プレスリリースより)

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⑯ 【ファンド/国内】日本特殊陶業等 水素・炭素循環に特化したファンドを設立

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日本特殊陶業は、「水素と炭素循環を、これからの地球へ。」をコンセプトとした「水素の森」プロジェクトを始動。ベンチャーキャピタルのグローバル・ブレインと共同で設立するコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)ファンドを通じて、水素・炭素循環に関連するスタートアップへの投資支援を行うとした。CVCファンドの運用期間は10年、運用総額は40億円としている。加えて、同テーマに特化した敷地総面積 5,000 ㎡の実証フィールドを同社の小牧工場内に設置し、スタートアップに安定した資金と開発の場を提供することで、技術開発や成長を支援し、水素社会・炭素循環型社会の早期実現への貢献を目指すとした。

(5/21 プレスリリースより)

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⑰ 【政策/海外】オーストラリア 10年間に生産される水素1キログラム当たりの新たなグリーン水素補助金を発表

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オーストラリア政府は、2027年から10年間にわたり開発業者にグリーン水素1キロ当たり2オーストラリアドル(1.32米ドル)を支払う新たな水素生産補助金政策(HTPI)を発表した。これは、温室効果ガス排出量に応じて 1 kg あたり最大 3 ドルを提供する同様の米国の水素製造税額控除の半分以下ですが、最初の欧州水素銀行オークションでグリーン水素製造者に与えられた補助金の 2 倍以上。

(一般報道より)

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⑱ 【政策/海外】Hydrogen Council・IHTF(国際貿易フォーラム) オランダのロッテルダムで第二回ラウンドテーブルを開催

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水素評議会と国際水素貿易フォーラム(IHTF)がオランダのロッテルダムで第2回閣僚・理事ラウンドテーブルを開催し、報告書分析を活用して水素とその派生品の国境を越えた貿易回廊について議論した。このラウンドテーブルでは、世界規模の国境を越えた水素貿易の拡大を開始するための 3 つの推奨事項が示された。推奨事項は以下のとおり。

① 明確性、確実性が高まり、需要を促進するサポートが強化される。発表された需要創出対策を加速することが、市場を活性化し、2030年までに最初の年間3~700万トンの需要量を確保する鍵となる。

② 地域間サプライチェーンのインフラ開発により、「勝者を選ぶ」ことなくテクノロジーが競争できるようになり、最も費用対効果が高く持続可能なソリューションの成功が可能になる。

③ 一貫した世界市場ルール、業界標準、相互認証スキームが、国際水素市場の発展のバックボーンを構成する。

(一般報道より)

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⑲ 【液化水素船/海外】HD現代 シェルと液化水素運搬船の開発に協力

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HD現代が、グローバルエネルギー企業のシェル(Shell)と協力し、海上液化水素運送技術の開発を加速化する。HD現代の造船系列会社であるHD韓国造船海洋とHD現代重工業は、HD現代グローバルR&Dセンター(GRC)で、シェルと液化水素運搬船開発のための技術共同開発協約(JDA)を締結したと24日明らかにした。今回の協約により、HD現代とシェルは2030年の商用化を目標に、大型液化水素運搬船の共同開発を進め、今後本格化する液化水素海上運送市場を先取りするという計画。HD韓国造船海洋は独自技術を活用し、大型液化水素タンクと水素貨物運営システムなど核心技術を研究・開発し、HD現代重工業は水素エンジン開発と液化水素運搬船の設計を担当する。 シェルは独自の技術開発や運搬船運営などに対するノウハウを共有し、液化水素運搬船の設計に対する妥当性を検討する予定。

(5/24 一般報道より)

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⑳ 【液化水素トラック/海外】中国 トラックが無給油で1,300km走行できる100kg液体水素燃料システムを発表

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「画期的な」100kg燃料タンクを備えたトラック用液体水素燃料供給システムが、中国国営企業中国航天技術総公司(CASC)によって発表された。ドイツの自動車メーカー、ダイムラーは以前、車載タンクに80kgの液体水素を貯蔵した満載トラックを路上テストし、無給油で1,047km走行した。

 (一般報道より)

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㉑ 【合成燃料/海外】出光興産 合成メタノール(e-メタノール)の供給網構築に向け、 HIF Global 社へ出資

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出光興産株式会社は、南米・北米・豪州などで合成燃料(e-fuel)・合成メタノール(以下、「e-メタノ ール」)のプロジェクト開発を行う HIFGlobal 社(本社:米国テキサス州、以下「HIF 社」)へ出資(出資金額 114 百万米ドル)する。なお、HIF 社への日本企業による出資は初。

同社は今後、出資を通じ、合成燃料およびカーボンニュートラル燃料やその原料等と して汎用性の高い e-メタノールの国内外におけるサプライチェーン構築を推進し、カーボンニュートラル社会への貢献を進める。大気中などから回収した CO2 と再生可能エネルギー由来の水素を合成することで生成する e-メタノールは、今後も需要が拡大すると見込まれる船舶燃料として直接利用できる。さらに合成ガソリン・合成ディーゼル・合成SAFなどの合成燃料や、合成化学品を 選択的に製造することが可能。同社は HIF 社に出資し、海外拠点におけるe-メタノールおよび合成燃料の製造・開発を推進。HIF 社に対して取締役を派遣するとともに、マーケティ ングやプロジェクト開発分野においても人財を派遣することで、HIF 社が有する e-メタノールや合成燃料の製造プロジェクトに対する開発・マネジメント等の最先端の知見やノウハウを獲得する。

(5/13 プレスリリースより)