■■ JH2A NEWS PICK-UP Vol.32 ■■ 2023/11/20

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① 【政策/国内】日本政府 日韓で水素の供給網、岸田首相が提唱 尹大統領と米大で講演 

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岸田文雄首相は17日午後、韓国の尹錫悦大統領と共に滞在先の米カリフォルニア州のスタンフォード大を訪れ、先端科学技術に関 する討論会で講演した。首相は次世代エネルギーとして期待される水素やアンモニアの供給網を日韓が連携して築く構想を提唱。 首相は「日韓には電力、輸送、産業など幅広い分野で水素、アンモニアの利活用を推進する大きな可能性がある」と指摘。日韓が連携 し水素やアンモニアの供給網「グローバル・バリュー・チェーン」を構築すると打ち出した。 (11/17 一般報道より) 

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② 【FC等/国内】パナソニック 英国自社工場でRE100ソリューション実現に向けた実証を2024年開始予定 

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パナソニックは、電子レンジ等の製造・販売を行うパナソニック マニュファクチャリングイギリス(PMUK)で、純水素型燃料電池と太陽電池を 活用した自家発電により、事業活動での消費エネルギーを100%再エネで賄うための電力需給運用実証を2024年に開始予定。PMUK での実証には、5 kWの純水素型燃料電池21台(合計:105 kW)、太陽電池(290 kW)、蓄電池(1 MWh)の設備を新たに導入し、英国 カーディフでの気象変化や電力事情に応じた電力需給運用を検証し、工場のRE100化を目指す。純水素型燃料電池の活用により、 設置スペース削減や安定電源確保だけでなく、水素発電時に発生する熱を暖房・給湯に利用するなど、更なるエネルギー効率向上も図る。 (11/14 プレスリリースより) 

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③ 【SOFC/国内】アイシン アンモニアSOFCの高効率発電に関する研究開発がNEDO研究開発事業として採択 

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アイシンは、NEDOが公募する「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」に応募し、 「アンモニア固体酸化物形燃料電池(SOFC)の高効率発電に関する研究開発」に採択された。東北大学と連携して研究を進める。 今回の取り組みでは、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム type S」で培った技術や、現在開発中の純水素SOFC システムの技術を活用しながら、純水素SOFCと同程度の高効率発電をめざし開発を進め、2027年度に自社工場・事業所で実証実験 開始を予定。また、部品を共通化することでコスト低減を行い、SOFCの普及に貢献することをめざす。 (11/13 プレスリリースより) 

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④ 【FCバス/国内】九州電力と九州大学 九州大学伊都キャンパス周辺で九州初となる大型水素燃料電池バスの運行を開始 

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九州電力と九州大学は、NEDOの「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発」事業で、九州での余剰再エネ等の ゼロエミッション電源を用いた水素社会地域モデルの構築にかかわる実証事業を2022年度から進めている。本実証では、九州大学 伊都キャンパスの水素ステーションで、ゼロエミッション電源を活用して水素を製造するシステムを構築し、製造した水素を燃料として 水素燃料電池バスを運行する計画としていた。今回、実証準備が整ったため、昭和自動車の協力のもと、九州大学伊都キャンパスと JR九大学研都市駅間において、九州初の大型水素燃料電池バスの営業運行を開始する(2023年11月15日~2025年度まで運行予定)。 (11/14 プレスリリースより) 

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⑤ 【水素エンジン車/国内】トヨタ自動車 水素エンジン技術の進化とオーストラリアでの新たな挑戦 

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スーパー耐久シリーズへの参戦を通して鍛え続けている水素エンジン技術を、将来の実用化に向けてさらに鍛えるため、水素エンジン を商用ハイエースに搭載し、事業会社の運行による走行実証を、オーストラリアの公道で行う。同社はこれまで、スーパー耐久シリーズ を通して、厳しい環境でも走行できる耐久性や、水素燃焼技術、異常燃焼の制御、水素の安全性の担保など、水素エンジン技術を鍛え てきた。モータースポーツの環境で鍛えていくことに加え、今回の走行実証を通して公道でも鍛えていくことで、お客様の使用環境下での 商用利用としての実用性や運転操作性、耐久性などの開発を進め、将来の実用化につなげる。 (11/11 プレスリリースより) 

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⑥ 【鉄道/国内】JR東海 カーボンニュートラル実現に向けた「水素動力車両」の開発について 

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JR東海では、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組みの一環として、軽油を燃料とするディーゼル車両から排出されるCO2 を実質ゼロにする技術の開発に取り組んでいる。その手段として、次世代バイオディーゼル燃料の試験を行っていますが、併せて水素を 燃料とした「水素動力車両」の開発も目指している。水素を燃料とした動力源については、既にお知らせしている「燃料電池」に加えて、 鉄道では国内外で事例のない「水素エンジン」の活用も検討している。今後、燃料電池又は水素エンジンを動力源とした鉄道車両の走行 性能や、山間部が多く長距離となる当社の非電化路線への適合可能性等を検証するため、小牧研究施設にある車両走行試験装置と 水素供給設備を組み合わせた模擬走行試験を実施する。 (11/16 プレスリリースより) 

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⑦ 【航空機/国内】JAL 水素航空機スタートアップ企業3社と協業を開始 

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JALは、飛行中のCO2排出量をゼロにすることができ、将来の持続可能な空の移動手段の1つとして期待されている、水素を燃料と する次世代航空機を日本の空へ導入することを目指し、安全性、経済性、整備性などについての検討を進めるため、水素航空機の 開発を行うH2FLY GmbH、Universal Hydrogen Co.、ZeroAvia Incのスタートアップ企業3社と、それぞれ基本合意書を締結した。本協業 により水素航空機に関する最新の開発状況を共有し、将来的な日本国内における運航の実現に向け、安全性・経済性・整備性などの 観点において、機体の設計・仕様に航空会社としての知見を反映すること、水素航空機に関する安全性や最新の情報を積極的に発信し、 日本国内での社会受容性を高めていく。  (11/16プレスリリースより) 

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⑧ 【SAF/国内】日揮HDなど 国産SAFサプライチェーン構築に向けた「廃食用油の供給および利用に関する基本合意書」締結 

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日清医療食品、レボインターナショナル、日揮ホールディングス、SAFFAIRE SKY ENERGYの4社は、病院や介護施設の食事提供で 使用した廃食用油のSAFとしての再資源化を目的に、廃食用油の継続的な供給・利用に係る基本合意書を締結した。日清医療食品は 受託している約5,500件の病院や介護施設、保育園等の厨房から出る廃食用油をSAF原料として供給。レボインターナショナルは、 全国の日清医療食品受託施設より廃食用油を収集し、サファイア・スカイ・エナジー運営のSAF製造装置向けに引渡す。サファイア・ スカイ・エナジーは、2024年度下期~2025年度初頭の生産開始を目指し、大阪府で建設中の日本初の国産SAFの大規模生産プラントで、 レボインターナショナルから引き取った廃食用油を原料にSAF製造を行う。本取組で年間最大約100万ℓのSAF製造を見込む。 日揮HDは、廃食用油原料のSAF製造事業のサプライチェーン全体構築を主導する。本取組によるCO2削減量は年間約2,700トンとなる。 (11/8 プレスリリースより) 

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⑨ 【エンジニアリング/国内】岩谷産業 水素関連プロジェクトのエンジニアリング事業協業のため合同会社を設立 

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岩谷産業は、コスモエネルギーホールディングス株式会社のグループ会社であるコスモエンジニアリング株式会社と、水素関連プロ ジェクトのエンジニアリング事業協業のため、本年 11月1日付で新会社「コスモ岩谷水素エンジニアリング合同会社」を設立した。 本合同会社では、コスモエンジニアリングが持つ水素設備に関するエンジニアリング技術と岩谷産業が持つ水素供給ネットワーク および水素関連機器の商品力を活用し、大規模水素サプライチェーンにかかわる水素関連プロジェクトを手掛けていく。本合同会社 設立による水素関連プロジェクトのエンジニアリング事業を通して、脱炭素社会実現に向けた水素燃料の社会実装、また水素需要拡大 を更に後押しする。 (11/6 プレスリリースより) 

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⑩ 【CCUS/国内】千代田化工建設 三菱ガス化学から「新潟CCUS ハブ&クラスター構想事業化」の調査受注 

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千代田化工建設は、三菱ガス化学より、新潟CCUSハブ&クラスター構想事業化に関する調査を受注した。本調査は、2023年3月に 新潟県が公表した「新潟カーボンニュートラル拠点開発・基盤整備戦略」の対象エリアである東新潟地域において、2030 年までのCCS 事業の開始を目指し、既設の化学工場、製紙工場や火力発電所から排出されるCO2の分離・回収、CO2の圧入・貯留地点、および これらを結ぶ輸送パイプラインに係るコスト試算を含めた検討を参加5社にて実施するものであり、その内、千代田化工は2022年度に 引き続き、MGCが計画する、CO2排出源の一つともなる水蒸気改質法による水素製造装置建設に向けた設備検討を実施する。 (11/17 プレスリリースより) 

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⑪ 【CCUS/国内】日本ガイシ CCUSに向けたCO2回収実証を開始 

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日本ガイシ株式会社は、NGKグループの事業活動を通じたカーボンニュートラルの達成に向け、本社地区で二酸化炭素(CO2)回収実証 を開始した。来年度にはメタネーション設備も導入し、CO2の回収・有効利用(CCU)に取り組む。 本社地区のセラミック製品工場の横にCO2回収設備を設置し、9月より焼成炉の排ガスの一部からCO2を回収する実証を開始した。 設備は三菱重工業株式会社製で、1日あたりの回収量は約0.1トン。2024年12月には株式会社IHI製の設備を導入し、回収したCO2と 水素を合成して都市ガスの主成分であるメタンを生成する「メタネーション」に取り組む予定で、焼成工程で排出されるCO2を回収して 再利用するCO2循環の実証を行う。 (11/8 プレスリリースより) 

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⑫ 【新技術/国内】九州大学 光バイオ触媒で空気と水からアンモニアと水素 同時の合成に成功 

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九州大学のカーボンニュートラル国際研究所(三井化学カーボンニュートラル研究センター)の石原達己教授、Kosem Nuttavut特任助教、 大﨑穣特任助教らの研究グループは、従来のシアノバクテリアの生体機能の一部の代謝系を、光触媒を用いて代替することと、生成した アンモニアの代謝を抑止することにより、常温、常圧下で窒素と水からアンモニアと水素を合成することを可能とした。今回の成果は、現在、 環境保全の観点から要望されているカーボンニュートラルな社会の達成のために再生可能エネルギー起源のグリーン水素の利用の促進 のみでなく、肥料などに使われるアンモニアの温和な条件での合成を通して持続可能な社会の実現に役立つ。 (11/16プレスリリースより) 

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⑬ 【政策/海外】ペトロベトナムとノルウェーのエクイノール 水素、アンモニア、炭素貯蔵への協力を拡大 

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国有会社のペトロベトナムとノルウェーのエクイノールはクリーンエネルギーに関する協定に署名し、水素、アンモニア、炭素の回収と貯蔵 への協力を拡大した。洋上風力発電やその他の再生可能エネルギー源などの2021年版の内容に加え、二酸化炭素の回収と貯蔵、 水素とアンモニアの生産がベトナムのエネルギー転換において重要な役割を果たすことから、両国は関係を拡大。 ベトナム、ノルウェー両国政府は温室効果ガス排出量の削減と再生可能エネルギーへの移行という野心的な目標を設定しており、 その主要な解決策としては洋上風力発電、水素、アンモニア、二酸化炭素回収・貯留などが挙げられる。 (11/7 プレスリリースより) 

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⑭ 【グリーン水素/海外】旭化成・Gentari・日揮HD マレーシアでの水素製造プラントの基本設計に関する覚書を締結 

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旭化成、マレーシア国営石油ガス会社PETRONASのクリーンエネルギー事業子会社であるGentariの100%子会社Gentari Hydrogen 日揮HDは、マレーシアで年間8千トンのグリーン水素製造のための60MW級アルカリ水電解システムの建設に向けたFSを完了し、 次フェーズのFEEDに移行するための覚書を締結した。本PJはNEDOのGI基金に採択された「大規模アルカリ水電解水素製造システム の開発およびグリーンケミカルプラントの実証」のPJの一部として運用される。現在、2024年1月のFEED開始に向けて3社で準備を 進めており、2027年の実証運転開始を目指している。 (11/15 プレスリリースより) 

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⑮ 【グリーン水素/海外】大林組 ニュージーランド再生可能エネルギー発電事業者「Eastland Generation社」の株式取得 

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大林組はニュージーランドにおいて再エネ発電事業を行うEastland Generation社(EG社)の株式を50%取得し、関連会社化する。 同社は社会課題であるカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを進めており、国内外において再エネ事業を行っている。 再エネ先進国のニュージーランドで、現地企業と合弁会社を設立して地熱発電を利用したCO2フリー水素製造プラントの建設を行い、 2021年度より試験販売をするなどの取組を実施している。同社のこれまでのノウハウと、EG社との協働により再エネ事業の発展に 貢献するとともに、同国内で計画している水素製造に必要な再エネ量を確保する。 (11/13プレスリリースより) 

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⑯ 【液水タンク/海外】サムスン物産 「世界最大」液化水素タンク設計国際認証の取得 

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サムスン物産・建設部門は国際認証機関であるDNV(Det Norske Veritas)から世界最大容量の液化水素貯蔵タンク設計認証を取得した。 液化水素は気体状態の水素を極低温で冷却して液化したもので、今回認証を受けた液化水素貯蔵タンクの容量は4万㎥に達する。 これは超低温状態の液化水素を約2800トンまで貯蔵できる容量であり、水素自動車50万台以上を一度に充電できる規模。特に、 タンクの安定性を画期的に高め、液化水素が再び気体状態に変わることを防止できるシステムを適用するなど、多様な分野で国際標準 遵守可否に対する実態調査を経て、最終設計認証を受けた。サムスン物産は今回の液化水素貯蔵タンク認証と設計力量確保を契機に、 グリーン水素・アンモニア事業拡大に速度を上げるものと期待している。 (一般報道より) 

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⑰ 【e-メタン/海外】東京ガスとTES社 e-メタンに関する包括連携の覚書締結 

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東京ガスとTree Energy Solutions Belgium(TES社)は、e-メタンに関する包括連携の覚書を締結した。両社は、本連携に基づき、 グローバルなe‐メタンの認知度向上、e‐メタンをはじめとするカーボンニュートラルに資する燃料の国際的なCO2排出カウントの制度 設計に向けた働きかけに加え、e‐メタンの国際的なサプライチェーン構築に向けた取り組みを共同で行う。TES社は、ベルギーの ブリュッセルに本社、欧州、北米、中東、東アジア・大洋州に拠点を置く企業。同社は世界の中で競争力のある再エネが入手可能な 地域でe-メタンを生産・液化し、欧州や日本市場で販売することを目指している。 (11/7 プレスリリースより) 

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⑱ 【鉄鋼/海外】SSAB VW傘下のScaniaと鉄鋼の脱炭素化で合意 

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スウェーデンの鉄鋼大手SSABは、フォルクスワーゲン(VW)のトラック部門「Scania」向けに化石燃料を使わない鋼材を供給することで、 Scaniaと意向書を締結した。化石燃料を使わない鋼材は、鉄鉱石が原料の製鉄で従来使われてきた原料炭を、化石燃料を使わない 電気と水素に置き換えて製造する。SSABは2026年に化石燃料を使わない鋼材を大規模に市場に供給し、2030年までにScania に供給する大型車の生産に使用する鉄鋼すべてを脱化石燃料鋼とすることを目指す。Scaniaは、サプライチェーン排出量の約80%を 占める電池、鉄鋼、アルミニウム、鋳鉄の4分野で2030年までに炭素排出量を大幅に削減する戦略を進めている。 (11/14 プレスリリースより) 

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⑲ 【非鉄金属/海外】Aurubis 水素分野でADNOCと提携 

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ドイツの銅生産大手Aurubisは、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国のアブダビ国営石油会社(ADNOC)と水素分野での戦略的協力 を発表した。Aurubisは、ハンブルク工場での銅生産に天然ガスに代わってアンモニアを使用する試験に成功した。試験にはADNOCの 再エネ由来のグリーンアンモニアを使用した。Aurubisは2021年に工業規模では世界で初めて、同工場で行った試験プロジェクトにおいて 天然ガスの代わりに水素を使用して銅を生産することに成功している。両社は今後、水素サプライチェーンを拡大し、銅生産の脱炭素化 に向けて協力関係を拡大していく。 (11/9 プレスリリースより) 

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⑳ 【CCS/海外】住友商事 英領北海にてCarbon Storage(二酸化炭素貯留)権益を取得 

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住友商事は、在英国の100%子会社Summit Energy Evolution Limited(SEEL)を通じて、英領北海南部のAmethystガス田および West Soleガス田にて設定されている2つのCarbon Storage権益のそれぞれ10%を取得した。本事業は、ガス生産を終了した地層に CO2を貯留することで、英国の脱炭素化に貢献する取り組み。英領北海南部は多くのガス田が存在する事から英国政府により多くの権益 が設定され、競争性の高い地域に位置付けられている。また、本件の対象エリアは英国最大の産業地帯であるHumbersideに近接し、 CO2排出源からの輸送距離が短く、コスト競争力の高いCO2の輸送・貯留サービスを提供することが可能。今後は、事業性評価、および 英国政府による商業化のための許認可取得を経て、2029年の開発意思決定、2031年には1.5百万トン/年の圧入の開始を予定している。 (11/17 プレスリリースより) 

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㉑ 【金融/海外】郵船ロジなど 炭素中立支援に新取り組み 

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郵船ロジスティクスは、東京海上日動火災保険とともに水素燃料電池トラック輸送による顧客のカーボンニュートラル(炭素排出量実質ゼロ) を支援する仕組みを中国で構築した。水素燃料電池トラックによる輸送ができず、顧客と契約している二酸化炭素(CO2)削減が実現できな かった場合、中国認証排出削減量(CCER)を購入する支援を行う。中国での脱炭素社会の実現を後押しする動きの一環。 今回の仕組みは、郵船ロジスティクスの中国法人である日郵物流(中国)が加入する運送業者貨物賠償責任保険の特約として支援する。 東京海上日動火災保険の中国法人、東京海上日動火災保険(中国)は関連の保険商品を開発。万が一の事故や配車ミスなどにより、 水素燃料電池トラックでの輸送が履行できずにディーゼル燃料トラックなどで代替輸送を行うことで、荷主に保証しているCO2の削減が実現 できなかった際に、CCERの購入費用として保険金を支払う。 (一般報道より)