■■ JH2A NEWS PICK-UP Vol.9 ■■ 2022/12/12

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

① 【政策/国内】 資源エネルギー庁 水素産業戦略を策定へ 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

経済産業省は28日、第4回水素保安戦略の策定に係る検討会(委員長・三宅淳巳・横浜国立大学副学長)の中で、資源エネルギー庁が2023年度を目途に水素産業戦略を策定することを公表した。経産省は「世界最先端の水素社会の実現には、推進と規制、双方の役割を明確化し、一体となった取組みが必要」としており、既存燃料と比較した値差支援制度等の制度整備や水素保安戦略策定と併せ、大規模かつ強靱なサプライチェーンの構築に向け、規制・支援一体型投資促進策を進めていく、としている。水素保安戦略の策定に係る検討会の報告書は12月26日の第5回検討会で審議される予定。(11月28日 一般報道・経産省公表資料より)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

② 【政策/国内】日本政府 「賦課金」と「排出量取引」の二刀流によるカーボンプライシングを2030年代に本格導入

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

政府は、2030年代目途にCO2排出に係る負担を求めるカーボンプライシングの導入をする調整に入った。対象としては、火力発電所をもつ電力会社やガス会社、化石燃料を輸入する石油元売り社、商社などとして、GX債の償還財源にする計画としている。カーボンプライシングとして、日本は排出権取引制度を試験段階であり、今回の案では賦課金の仕組みの導入を検討している。今回賦課金の形式をすることにより、税制に比べて法改正などが必要がなく、導入が容易な点があると見込む。GX債の償還は、50年までに20兆円を完済する計画として、当制度を導入するにあたり、CO2排出量あたりの価格設定が論点とされている。(11月29日 一般報道より) 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

③ 【政策/国内】 国土交通省 脱炭素化推進基本方針を公表 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

国土交通省は1日、令和4年6月10日に公布された改正航空法が12月1日に施行され、改正航空法に基づく「航空脱炭素化推進基本方針」をまとめた。航空機運行分野と空港分野において脱炭素化を推進することを基本的な方針とし、具体的には、2030年時点で国内航空運送事業者の燃料使用量の10%をSAFに置き換えたり、2030年度までに空港の再エネ拠点化を促進し再エネ発電容量を230万kWとする目標を設定する。空港の再エネ拠点化では、余剰電力を蓄電池や水素などを利活用する。その他、水素航空機などの脱炭素に資する航空機環境新技術への支援などが含まれている。(12月1日 国土交通省公表資料より)

https://www.mlit.go.jp/report/press/kouku08_hh_000039.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

④ 【政策/国内】 東京都 新エネルギーの推進に係る技術開発支援事業の募集を開始 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

東京都は30日、東京の脱炭素化に資する新エネルギー及びその利活用・普及に係る製品・サービスの調査研究、技術開発、実証、実装化までの取組を支援する、「新エネルギーの推進に係る技術開発支援事業」の募集を開始した。支援対象は、「都内に本店又は支店を置く大企業を中心とするグループ。ただし、グループ構成に都内に本店又は支店を置く中小企業者を1者以上含むこと」としている。助成限度額は1グループあたり30億円(下限額は6億円)。助成率は対象となる経費の3分の2で、支援対象期間は交付決定から3年以内。申請エントリーは12月15日から来年1月24日までであり、審査を経て令和5年3月下旬に交付決定する。(11月30日 東京都ウェブサイトより)

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/11/30/03.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

⑤ 【政策/国内】 東京都 第2回東京グリーン水素ラウンドテーブルを開催 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

東京都は30日、東京グリーン水素ラウンドテーブルの第2回会合を開催し、小池東京都知事がエネルギー関連会社らと協議した。トヨタ自動車は水素普及に向けて需要(使用)と供給の同期化、都の采配・牽引を期待し、事業者の利便性確保などを求め、東京ガスは熱の脱炭素化について水素と合成メタンそれぞれの適材適所が重要との認識を示した。岩谷産業は福島県南相馬市と北九州市での水素の実証事業の取組を紹介し、ENEOSはCO2フリー水素のパイプライン供給における法規制課題を指摘した。会議にて共有された企業等の知見・経験は、今後の都施策の検討に活かしていくとのこと。(11月30日 東京都ウェブサイトより)

https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/energy/round_table/index.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

⑥ 【サプライチェーン/国内】 川崎重工業と関西電力 液化水素サプライチェーン構築に向けた海上輸送に関する覚書締結 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

川崎重工業と関西電力は、本日、2030年の液化水素サプライチェーンの構築に向けた海上輸送等に関する協業の覚書を締結した。今回の協業を通じて、液化水素の海上輸送をはじめ、海外での水素の製造・液化・貯蔵、姫路エリアでの受入に関する調査・検討を行い、水素ビジネスの実用化を目指す。2030年を目途に、オーストラリアでのグリーン水素製造から、川崎重工業の液化水素運搬船による海上輸送、関西電力の天然ガス火力発電所での混焼まで共同で事業化することを計画し、両社は姫路エリアでの需要の精査及びインフラ規模などを検討していく。(12月5日一般報道/ 12月2日プレスリリースより)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

⑦ 【サプライチェーン/国内】千代田化工建設と仏・アクセンス社 MCHによる水素サプライチェーン構築で協業

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

千代田化工建設とアクセンス社(フランス)は、液体有機水素キャリアとしてのメチルシクロヘキサン(MCH)による水素サプライチェーン構築のため、商業協力契約を締結した。千代田化工建設のSPERA水素技術と、アクセンス社のトルエン水素化技術を組み合わせて、欧州市場を中心に、日本、北米、アジア、オセアニア等での水素案件に共同で売込みを図る。千代田化工建設のSPERA水素技術は、独自開発した触媒を用いてMCHから水素とトルエンを高い転化率と選択率で製造する技術。また、アクセンス社のトルエン水素化技術は、高性能な均一系触媒作用を使用し、最適化されたエネルギー効率でトルエンと水素から高純度のMCHを製造する技術。(11月28日プレスリリースより)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

⑧ 【グリーン水素/国内】福島県と山梨県 地域におけるGXの先進モデル構築に向け連携 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

山梨県と福島県は2日、P2G(Power to Gas)システムによるグリーン水素を活用し、地域におけるグリーントランスフォーメーション(GX)の先進モデル構築に向けた事業に連携して取り組むことについて合意した。この合意における中核事業として、NEDOの助成を受け実施予定の事業内容について、共同提案者である県と巴商会、ヒメジ理化による共同の発表がなされた。この事業においては、再生可能エネルギー由来の水素製造装置により水素を製造し、半導体製造装置に使用する石英ガラス製品の加工の脱炭素化とP2Gシステムの融合や、複数の需要家への水素供給網の構築実証などに取り組んでいく予定。(12月2日一般報道/山梨県ウェブサイトより)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

⑨ 【水素製造/国内】神戸東灘下水処理場 下水資源による発電で水素を製造 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

神戸市は28日、東灘区にある下水処理場においてバイオマスと下水汚泥から発生させた消化ガスから発電する「消化ガス発電事業」に着手したと発表した。東灘処理場ではこれまで、下水処理の過程で発生する消化ガスを活用した「自動車燃料」や「都市ガス導管注入事業」などを実施してきた。本事業は「都市ガス導管注入事業」に代わる新たな有効利用事業とした事業で、消化ガスを精製して自動車燃料にするほか、発電機で発電させた電力の一部を水素発生装置に使用し発生した水素をFCVなどに利用する。発電規模は1600kWで1年に一般家庭2400世帯分の発電をする。(11月28日神戸市ウェブサイトより)

https://www.city.kobe.lg.jp/a78445/202211283015.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

⑩ 【コンビナート/国内】岩谷産業、宇部マテリアルズなど 千葉県でカーボンニュートラルコンビナートの共同検討を開始 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

岩谷産業、宇部マテリアルズなど10社は、千葉県市原市五井地区及び千葉市蘇我地区のコンビナートにおけるCNの実現に向けた共同検討を実施するための覚書を締結。本覚書に基づき、エネルギー産業、石油化学産業、化学産業、鉄鋼産業、素材産業などの同地区の異業種企業9社とYOKOGAWAグループが連携し、2030年頃までに以下を含めた事業化検討、2050年の同コンビナートのCN実現に必要な施策を検討する。①CO2排出を最小化する産業間連携エネルギーマネジメントシステムの導入、②産業間連携によるCO2回収と有効活用、③既存プロセスからの水素などを含む副生ガスを産業間連携で活用することによるCO2排出量削減。(12月8日プレスリリースより)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

⑪ 【船舶用エンジン/国内】 川崎重工業 世界初 水素焚き二元燃料エンジンの基本設計承認を取得 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

川崎重工は、160,000m型の大型液化水素運搬船に搭載する発電用水素焚き二元燃料エンジンおよび関連システムの基本設計承認を一般財団法人日本海事協会から取得した。当エンジンは、水素と従来の低硫黄燃料油を燃料として自由に切り替え可能にし、本船の液化水素用タンクから自然発生したボイルオフガスを主燃料として95%以上の比率で混合のうえ発電し、船内へ電力を供給することで、船舶から排出される温室効果ガスを従来から大幅に削減する。2020年代半ばの実用化を計画している大型液化水素運搬船に本エンジンを搭載し、実船試験による実証を進める予定。(11月30日 プレスリリースより)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

⑫ 【化学品/国内】カネカ 水素とCO2を原料とする生分解性ポリマーの量産設備を設置 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

カネカは、水素とCO2を原料とする生分解性ポリマーの量産プラントを2030年に設置すると発表。生産能力は年1万—2万トンで、高砂工業所(兵庫県高砂市)に設置予定。投資額は約150億円を見込む。水素とCO2を原料とする生分解性ポリマーの量産プラントは、原料が油からガスに変わり、ガスを扱う設備が必要となるため、投資額は従来設備より高くなる可能性がある。また同工業所では塩化ビニール製造時に副生水素が発生するため、生分解性ポリマー原料として活用する検討も行う。(11月29日 一般報道より)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

⑬ 【FCバス/国内】MUFG 名古屋市にFCバス導入費用を寄付 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

三菱 UFJ フィナンシャル・グループ(MUFG)は、グループの社会貢献活動の枠組みに基づき、FCバスの普及に向けて名古屋市に5,000万円の寄付を行った。MUFG は、名古屋市が推進するFCバスの試行導入事業に寄付を行い、名古屋市は2023年4月から市バスでFCバスの運行開始を予定。三菱UFJ銀行が2022年1月に名古屋市と締結した包括協定の中で、「低炭素・脱炭素社会への協力」を掲げており、今回の寄付は協定の趣旨に沿ったもの。名古屋市が、民間企業からの寄付を活用してFCバスを導入するのは初の試み。安定した水素需要を創出する商用車の導入支援を通じて、地域での水素普及に貢献する。(11月30日 プレスリリースより)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

⑭ 【水素容器/国内】JFEコンテイナー 燃料電池電動アシスト自転車用の複合容器が特別認可を取得 公道走行可能に 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

JFEコンテイナーは、1日、水素燃料電池用高圧複合容器が搭載された燃料電池電動アシスト自転車が、高圧ガス保安法に対する経済産業大臣の特別認可を取得し、FC電動アシスト自転車の公道走行が可能になったと発表した。この自転車は、山梨県と山梨大学が連名で採択を受けた文科省のプログラムの一環として開発され、東海技研(株)のシェアサイクル向け電動アシスト自転車に、JFEコンテイナーの1.1L水素高圧複合容器、日邦プレシジョン(株)の燃料電池を搭載した自転車での認定申請で、高圧ガス保安協会の事前評価委員会での審議を経て、公道走行に資する安全性が認められたことにより、大臣特認取得に至った。今後、社会実装に向けて特定地域での公道走行による実証実験を行い、2025年度の一般公道走行を目指す。(12月1日プレスリリースより)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

⑮ 【協業プロジェクト/国内】JERA、九州電力、中国電力、四国電力、東北電力による水素・アンモニアの協業検討 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

JERA、九州電力、中国電力、四国電力、東北電力の5社は、発電用燃料としての水素・アンモニア導入に向けて協業検討をすることを定めた覚書を締結した。国内で大規模な火力発電所を運営する5社が、水素・アンモニアサプライチェーン構築・拡大に向けて、協業の可能性を検討する。対象項目としては、国内発電所向けの水素・アンモニア調達費用削減等を目的とした共同調達、水素・アンモニアの輸送・貯蔵手段の確立、政策支援・ルール形成への働きかけ、共同案件の検討が含まれる。(12月3日一般報道/11月29日プレスリリースより)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

⑯ 【グリーン水素/海外】横河電機 豪州の商用グリーン水素プロジェクトの統合制御システムサプライヤーに選定 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

横河電機は、子会社のヨコガワ・オーストラリアがTechnip Energiesから豪州最大の商用グリーン水素PJの初期フェーズでの統合制御システムサプライヤーに選定され、グリーン水素PJ「ユリ」の同システムを受注した。同PJは、Yuri Operations Ptyが運営。EPCC(設計・調達・建設・試運転)を手掛けるテクニップ・エナジーズと豪州大手建設会社のMonford Groupのコンソーシアムは、太陽光と定置用蓄電池の電力から水素を製造する10メガワットの電解槽を西豪州ピルバラに建設する。これにより製造した水素を隣接するYara社の既存アンモニアプラントに供給し、グリーンアンモニアが製造される。操業開始は2024年を予定。(11月30日プレスリリースより)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

⑰ 【イエロー水素/海外】 シェルと米ニュースケールパワー 原子力発電所由来の水素製造に関する研究締結 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

英シェルと、米国に本社を置く小型モジュラー原子炉(SMR)開発と販売を行うNuScale(ニュースケール)は、原子力発電由来(SMR)の水素製造に関する研究の締結をした。ニュースケールの声明として、エネルギーマーケットとして再生可能エネルギーの電力量が少ない場合、持続可能な運用に懸念がある為、原子力発電所からの電力を用いつつ水素にし、利用時に燃料電池及び熱を使った研究を行うと述べた。当研究は、インバランス市場の影響を管理するエネルギー需給管理を含む評価も行われる。当小型モジュール炉は、2030年までに出力7.7万kWのSMRを6基運転開始する計画であり、29年に初号機建設を目標とする。(12月3日一般報道/12月1日プレスリリースより)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

⑱ 【副生水素/海外】韓国ロッテケミカルとエア・リキード 韓国最大級の水素供給拠点を整備 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ロッテケミカルとエア・リキードコリアは、水素サプライチェーン拡大のための提携の一環で合弁会社「ロッテ・エアリキード・エナハイ」を設立。ロッテ・エアリキード・エナハイは、ロッテケミカル大山工場内に副生水素を活用した大規模高圧水素出荷センターを建設し、2024年下期に事業を開始する予定。出荷センターは国内最大規模(年間生産量5,500トン以上)の水素生産能力を備える予定で、これは乗用車約4,200台、バス約600台の燃料を1日に充電可能な量に相当する。ロッテ・エアリキード・エナハイは大山高圧水素出荷センターを通じて首都圏のモビリティ市場を開拓し、今後蔚山にも水素出荷センターを建設して永南圏にも水素を供給する計画。(12月6日プレスリリースより)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

⑲ 【FC乗用車/海外】Honda 新型FCEVを2024年から米国PMCで生産 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Hondaは、「CR-V」をベースとした新型燃料電池車(FCEV)の生産を2024年から米国オハイオ州メアリズビルの四輪車生産拠点パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター(PMC)で開始する。PMCの少量・高品質生産の特徴を活かし、新型FCEVを2024年から生産する。新型FCEVは、今年夏に米国で発表された新型「CR-V」をベースに開発され、FCEVならではの短時間で水素を充填でき長距離走行できる特長に、家庭や街中で充電できるプラグイン機能を追加したモデルとなる。Hondaは、2050年のCN実現に向けて2040年に四輪車でのEV、FCEV販売比率100%を目指しており、今回の新型FCEVもそれに向けた取組の一環。(12月1日 プレスリリースより)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

⑳ 【FC航空機/海外】 エアバス 燃料電池エンジンを使用したゼロエミッション航空機を開発 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

欧州輸送用機器大手のエアバスは、水素を燃料とする水素を燃料とする燃料電池エンジンを開発中であることを明らかにした。A380MSN1型の航空機を、液化水素タンクとそれに関連する分配システムを運ぶように改造される。水素を航空機推進用の動力源として使用するには、2つ方法があり、ガスタービンで水素を燃焼させ水素を電気に変換する方法、もう一つは、燃料電池を使用し、プロペラエンジンを駆動し、NOx排出を発生させずに脱炭素化を実現させる。2020年代半ばには、試験運転を実施し、2035年までには運航を開始する計画。(11月30日 プレスリリースより)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

㉑【船舶用エンジン/海外】 シェルとアルファ・ラバル 水素ボイルオフガス用のガス燃焼ユニットを開発するMOU締結 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

英シェルとスウェーデンに本拠地をもつ熱交換器・移送機器メーカーのアルファ・ラバルは、液体水素キャリアで使用する新しいガス燃焼ユニットの開発に関して、覚書(MOU)を締結した。MOUでは、船舶の液化水素貯蔵タンクから水素のボイルオフガスを安全に燃焼させるシステムの開発を行う。水素は、キャリアによって蒸発速度が速く、船上で輸送する場合は安全性が最優先であるため、当ガス燃焼ユニットを設計する上で、安全性を最優先とし、タンクの圧力・温度を制御する手段を検討及び開発が必要となる。(12月1日プレスリリースより)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【用語解説】

・生分解性ポリマー:ストロー、レジ袋、カトラリー、食品容器包装材などの幅広い用途への利用が期待され、地球環境保全に貢献するとされている。自然界の海水や土壌に存在する微生物により分解され、最終的には炭酸ガスと水になる。

・イエロー水素:原子力発電の電力を用いて生成される水素のこと。原発の燃料の原料となるイエローケーキ(ウラン精鉱)の色が黄色であることからイエローとされている。